2022 Fiscal Year Annual Research Report
Single cell analysis of osteoblast/chondrocyte differentiation control mechanism by Runx2 enhancer
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22J40067
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松裏 恵子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | Runx2 / 骨芽細胞分化 / 軟骨細胞分化 / エンハンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
Runx2は、軟骨細胞と骨芽細胞分化の両者に必須な転写因子である。Runx2遺伝子の発現制御機構を明らかにするため、分化に伴うRunx2遺伝子のエンハンサー領域の変化を調べた。その方法として、活性化したエンハンサー領域は、オープンクロマチン構造を取るため、オープンクロマチン領域を検出するATACシークエンスを採用した。まず、バックグラウンドを下げるために、ATACシークエンスのDNA調整の条件を決定した。軟骨細胞に関しては、初期培養軟骨細胞のマイクロマス培養を行った。各培養期間でアルシアンブルー染色およびRNAを抽出、II型コラーゲン、アグリカン、インディアンヘッジホグ、Runx2、X型コラーゲン、オステオポンチン、Mmp13のmRNA発現を調べた。アルシアンブルー染色の強度及びこれらの遺伝子の発現レベルにより、未熟軟骨細胞、成熟軟骨細胞、終末期肥大軟骨細胞の3分化段階を設定し、それぞれの分化段階でDNAを調整し、ATACシークエンスを行った。同様に頭蓋冠から得た初期培養骨芽細胞を分化誘導することにより、骨芽細胞の各分化段階でのオープンクロマチン領域をATACシークエンスにより解析した。ATACシークエンスは、外注したが、そのデータ解析は自分で行った。これまでRunx2のエンハンサー候補15領域を解析してきたが、今回の実験で、軟骨細胞特異的、骨芽細胞特異的あるいは両者で活性化されているエンハンサーが存在することが示唆された。さらに、分化段階で活性化の異なるエンハンサーが存在することも示唆された。現在、軟骨細胞特異的、骨芽細胞特異的、あるいは両者ともに活性化されたエンハンサーか、さらに分化段階によってその活性が異なるかを、それぞれのエンハンサー候補とミニマルプロモーターを用いたGFPレポーターマウスを作製し、検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨芽細胞、軟骨細胞の各分化段階での活性化エンハンサー候補の数が多かったため、GFPレポーターマウスを多数作製しなければならず、in vivoで各エンハンサーの発現を検証し、それぞれのエンハンサーを特定するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、エンハンサー候補を用いたGFPレポーターマウスの作製、解析(凍結切片を用いたGFP発現解析)は順調に進んできており、骨芽細胞特異的エンハンサー、軟骨細胞特異的エンハンサー、両者を制御するエンハンサーそれぞれの領域はかなり絞られてきた。今後、GFP発現解析によりエンハンサー領域を確定するとともに、これらの領域を欠失させたマウスを作製し、骨格標本、組織解析、RNA発現解析等により、それらの生理的役割を明らかにする。
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