2022 Fiscal Year Annual Research Report
垂直配向ナノロッドとプロトン導電性ナノシートの接合による有機ガスの超高感度認識
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21J20487
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
愼改 豪 熊本大学, 自然科学教育部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 半導体式ガスセンサ / Pt担持ZnOナノ結晶 / ガス応答メカニズム / DRIFTS測定 / ZnOナノロッド / ZnOナノワイヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、酸化亜鉛(ZnO)のガス応答特性向上を目的として、Pt担持ZnOナノ結晶の合成を行った。ホットソープ法における前駆体溶液に、あらかじめ合成しておいたPtオレイルアミン錯体を添加し合成を行うことで、ZnOナノ結晶表面にPtナノ粒子を担持させることに成功した。0.1 wt%のPtナノ粒子を担持させたサンプルが、400 ℃と350 ℃においてアセトンとエタノールに対して最も高い感度を示し、Pt担持によるガス応答特性の向上が示唆された。Ptの担持量を増加させると、高温におけるガス応答特性は減少した。 続いて、合成した材料のエタノールのガス応答メカニズムを調査するため、In-situ DRIFTS測定を用いてエタノール雰囲気下における材料表面の吸着物を分析した。その結果、エタノールの燃焼過程で生じるアセテートやカーボネートなどの吸着量が、ガス応答に直接関わっている可能性を明らかにした。本結果をまとめて論文投稿を行った。 また、イタリアのブレーシア大学にて気相合成によるZnOナノワイヤの合成技術を学ぶために、3ヶ月間(7月〜9月)の研究留学を行った。VLS法を用いたZnOナノワイヤの合成手法応用し、水熱法によって合成したZnOナノロッドとZnOナノワイヤの複合材料の合成に成功した。太いZnOナノロッドのc面 (0001)から、細いZnOナノワイヤが成長している様子が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定していた、プロトン導電性膜上にZnOナノロッドを垂直成長させることは難しいと判断したため、他の高感度材料に着目した。その結果、Pt担持ZnOナノ結晶の合成に成功し、In-situ DRIFTS測定によってそのガス応答メカニズムを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、ZnOナノロッドの結晶面におけるガスの相互作用をDFT計算によって明らかにし、2021年度に行ったZnOナノロッドに関する結果とまとめて速やかに論文投稿を行う。また、イタリアで合成した材料の各種評価を行った後、論文投稿を行う。さらに、Pt担持ZnOナノ結晶の他のガスに対する応答メカニズムを調査し、より詳細な応答機構を提案する。
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