2021 Fiscal Year Annual Research Report
急性相反応物質"α1-酸性糖蛋白質"の脂質代謝を介した新規炎症制御の機構解明
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21J23527
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| Allocation Type | Single-year Grants |
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| Research Institution | Kumamoto University |
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Principal Investigator |
中村 侑加 熊本大学, 薬学教育部, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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| Keywords | α1-酸性糖タンパク質 / 脂質代謝 / 炎症 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、α1-酸性糖タンパク質(AGP)による脂質代謝を介した抗炎症作用の分子機序解明と、それを基盤とした新規炎症治療戦略の開発を最終目的としている。以下に、本年度の研究により得られた知見をまとめる。
1) AGPの基質同定及び活性様式の解明 (in vitro)：AGP KOマウスから得た血清に対して、ヒトAGPを添加した。反応液を順相カラムで遊離脂肪酸画分、リン脂質画分に分け、各画分に含まれる脂質成分をガスクロマトグラフィー質量分析法で測定した。その結果、遊離脂肪酸分画においてAGPの添加により、AGP KOマウスの血清で減少していた脂肪酸の回復が観察された。この結果より、AGPが生体内で脂肪酸の生成に関与している可能性が示された。
2) AGP KOマウスの組織中脂質組成解析：AGP KOマウス各組織において脂質を抽出し測定した結果、AGP KOマウスの脂肪組織および脳で脂質組成の変動が見られた。加えて、これらの組織で炎症性サイトカインを測定したところ、KOマウスで上昇が見られた。以上の結果より、AGPは脳、脂肪組織において脂質組成を変動させ、炎症を抑制することが示唆された。
3) AGP KOマウスの行動特性評価：AGP KOマウスを用いて行動試験を行い、不安症状に関する行動特性を評価した。結果、AGP KOマウスで観察された不安様行動が野生型で軽減していた。本検討より、内因性AGPは脳の炎症制御を介して不安症状を抑制する可能性を見出した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究成果に関して、当初の計画通りAGPの基質同定およびAGP活性様式の解明について、AGP変異体の作製やそれらを用いた活性評価を実施できた。また、AGP KOマウスの組織中脂質組成の評価について検討を進められており、期待以上の結果が得られている。一方、LDLやリポソームを基質とした検討については、実験に用いる試薬の入手が難しく、行うことができなかった。
以上より、研究進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断する。
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| Strategy for Future Research Activity |
採用の2年度目は1年度目に引き続き、脂質測定、解析法を確立しAGPによって生じる脂質変動をより詳細に評価し、AGPの脂質制御機構を実証する。また、最終目標である新規炎症治療戦略の開発を目指し、AGP KOマウスを用いて炎症病態モデルを作製し、炎症時におけるAGPの抗炎症効果および脂質制御の連関を明らかにする。
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[Journal Article] α1-Acid Glycoprotein Enhances the Immunosuppressive and Protumor Functions of Tumor-Associated Macrophages2021
Author(s)
Kotaro Matsusaka, Yukio Fujiwara, Cheng Pan, Shigeyuki Esumi, Yoichi Saito, Jing Bi, Yuka Nakamura, Ayumi Mukunoki, Toru Takeo, Naomi Nakagata, Daiki Yoshii, Ryo Fukuda, Taisei Nagasaki, Ryusei Tanaka, Hisakazu Komori, Hitoshi Maeda, Hiroshi Watanabe, Koji Tamada, Yoshihiro Komohara, Toru Maruyama
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Journal Title
Cancer Research
Volume: 81
Pages: 4545-4559
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Species Difference in Hydrolysis of an Ester-type Prodrug of Levodopa in Human and Animal Plasma: Different Contributions of Alpha-1 Acid Glycoprotein2021
Author(s)
Kenta Kono, Ken-ichi Nunoya, Yuka Nakamura, Jing Bi, Ayumi Mukunoki, Toru Takeo, Naomi Nakagata, Maeda Hitoshi, Yoshiyuki Yamaura, Haruo Imawaka, Hiroshi Watanabe, and Toru Maruyama
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Journal Title
Molecular Pharmaceutics
Volume: 18
Pages: 1985-1991
DOI
Peer Reviewed / Open Access
