2022 Fiscal Year Annual Research Report
RNA高次構造を標的とした多系統萎縮症の病態解明と創薬研究
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22J00687
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松尾 和哉 熊本大学, 発生医学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | αシヌクレイン / ミエリン / RNA高次構造 / 液ー液相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、1) ミエリンを構成するタンパク質のひとつが、分子クラウディング環境において単独で容易に液滴を形成することを明らかにした。また、同環境において RNA グアニン四重鎖を起点とし、液―固相転移を介してミエリン構成タンパク質とプリオン性タンパク質が共凝集することを明らかにした。2) 分子クラウディング環境における RNA グアニン四重鎖、ミエリン構成タンパク質、α シヌクレインの液―固相転移およびそれにともなう機能障害を in cellulo で解析するため、ミエリン形成を誘導する細胞培養系の構築を神経細胞およびオリゴデンドロサイトの初代培養により行ったが、無髄神経の割合が高く、機能解析には至らなかった。培養条件の検討による改善が必要である。3) これまで主流であった病原性 α シヌクレインを外来性に感染させるモデルとは異なり、RNA グアニン四重鎖を起点として内在性の α シヌクレインを凝集させる新たな in vivo モデルを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経細胞とオリゴデンドロサイトの共培養によるミエリンの機能評価系は培養条件の改善が必要であるが、その他のin vitro実験、in vivo実験に関しては核となる研究成果が得られたため、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでオリゴデンドロサイトにおけるαシヌクレインの凝集メカニズムは不明であったが、本研究により新規の伝播・凝集経路の可能性が示唆された。今後はこれらの試験管内の現象、モデル動物を介した多系統萎縮症の細胞内メカニズムの解明を行う。
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Research Products
(3 results)