2023 Fiscal Year Research-status Report
高い安定性と優れたスイッチング特性をもつペロブスカイト型量子ドット複合材料の開発
Project/Area Number |
22KJ2521
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
MOKHTAR ASHKAN 熊本大学, 自然科学教育部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | ペロブスカイト型量子ドット / ジアリールエテン / 発光スイッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、発光スイッチングのメカニズムを解明した。その知見を基に、緑色の発光を示す(CsPbBr3)発光スイッチング可能かつ安定なペロブスカイト型量子ドットの合成に成功した。これらの結果を踏まえて今年度はジアリールエテン配位子の結合力の強さとスイッチングサイクルの安定性を調べ、適切な配位子を選択した。また、ポンプ・プローブ分析を用いて本系では電子移動が起こらず、FRETのみでスイッチングを示すことを証明した。その研究の論文について現在作成中である。また、表面ポリマーコーティングを用いて、極性溶媒中で使用可能な量子ドットの発光スイッチングも試みたが、極性溶媒中での発光スイッチングは残念ながら達成できなかった。CsPbBr3と別で赤色の発光を示すCsPbI3量子ドットの発光スイッチングについてもポンプ・プローブ分析を用いてFRETのみでスイッチングを示すことを証明した。現在は、量子ドットの組成を変えながらペロブスカイト型量子ドットのバンドギャップとスイッチングメカニズムの関係性を調べている。また、理論計算を用いて、様々なジアリールエテンのエネルギー準位を計算し、CsPbBr3と複合させた場合FRETのみで発光スイッチングを示すジアリールエテン分子を探索している。今まで3種類異なるジアリールエテンとの複合体を作製したが残念ながらジアリールエテンの設計を重視した安定なスイッチング系はまだ作成できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では単粒子における発光スイッチングを目的としており、スイッチングメカニズムの解明はその大切な第一歩である。昨年度もメカニズムに関する検討を行っていたが、予想されたメカニズムの確実な実証までには至らなかった。しかし、得られた知見を基に分子設計に対する考え方を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究から得られた知見を踏まえて、ジアリールエテンと量子ドット間の電子移動を防ぐことが一つの方針である。そのために、配位部位の調整を行った緑色の発光を示す量子ドットと、これまでのジアリールエテン骨格を複合させる。また計算化学を用いて新たなジアリールエテン骨格の設計を行い、ジアリールエテン複合ペロブスカイト型量子ドットの配位子の設計法を確立する。さらに、水中での発光スイッチングを目的にシリカでのコーティング法を単粒子で行うことで、その外部表面をジアリールエテンで修飾し、水中での発光スイッチングを実現することを目標に研究を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度内に注文した物品は年度内に納品できなかったため0を超えることになった。今年度の研究費を主に試薬、物品、論文作成と学会発表等の旅費に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)