2022 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝要因を考慮した魚類の耳石微量元素比による経験水温履歴の高解像度復元
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21J00225
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
村瀬 偉紀 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 耳石 / 微量元素比 / メダカ / 遺伝基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度に引き続き、野外で採集した個体を親魚として用いた飼育実験と耳石扁平石の微量元素分析を中心とした研究を行った。千葉県および茨城県でミナミメダカ(Oryzias latipes)の成魚を採集した。2021年度と同様に、採集した個体を1か月ほど一定水温で飼育して馴致した後、これらの個体を親魚として、昨年と同様の共通環境実験を行った。千葉県産ミナミメダカ5ペアと茨城県産ミナミメダカ3ペアについて、ペアごとに受精卵を得て、孵化仔魚を水中の微量元素を一定に調整した水で飼育した。孵化後約60日後に実験個体を採集して、標準体長と体重を測定・計量した。また、左右の耳石扁平石を摘出して、耳石重量を計量した。電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて耳石中に含まれるカルシウム(Ca)とストロンチウム(Sr)の濃度を測定した。耳石Sr/Ca比を、家系間および地域個体群間、さらには昨年度得た沖縄県産ミナミメダカと青森県産キタノメダカ(O. sakaisumii)のデータと比較することで、耳石Sr/Ca比のばらつきが家系間、地域個体群間および種間でどのように異なるのかを調べた。その結果、千葉県産と茨城県産のミナミメダカの耳石Sr/Ca比はよく似た傾向を示したものの、その値は沖縄県産ミナミメダカや青森県産キタノメダカの値とは大きく異なっていた。また、個体によってもSr/Ca比が大きく異なる傾向を示したため、次年度は、近交系を用いて同様の実験を行うことにより、耳石Sr/Ca比のばらつきの実態を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地震や不具合によるEPMAの故障が相次いだため、一部の試料についてはデータを再度取得する必要が生じた。しかし、大部分の試料の分析結果から、耳石微量元素比のばらつきの実態は明らかになりつつあり、概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
個体によってもSr/Ca比が大きく異なる傾向を示したため、次年度は、近交系を用いて同様の実験を行うことにより、耳石Sr/Ca比のばらつきの実態を明らかにする。
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