2023 Fiscal Year Annual Research Report
三次元規則配列多孔構造ポリイミドセパレータを用いた不燃性リチウム金属電池の開発
Project/Area Number |
22KJ2544
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
新堀 雄麻 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | リチウム金属負極 / リチウム金属二次電池 / セパレータ / イオン液体電解液 / イオンゲル電解質 / 固体電解質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はリチウム金属負極―酸化物系固体電解質間に短絡防止層を導入することでリチウム金属二次電池のサイクル安定性の向上を図るものである。短絡防止層には当研究グループが開発を行ってきた三次元多孔構造ポリイミド(3DOM PI)を用いた。この3DOM PIは内部に三次元的で均一なマクロ孔を有することから、均一なイオン伝導パスの形成および負極表面上に均一なリチウム金属の析出が期待できる。また不燃性かつ流動性がないイオンゲル電解質を3DOM PI内に充填し、3DOM PI-イオンゲル複合膜を短絡防止層として用いた。 初年度は、3DOM PIが短絡防止層としての効果を十分に発揮する事を確認するため、3DOM PI中に電解液を含侵させた状態での性能評価を行った。電解液として濃厚イオン液体電解液を使用した。性能評価方法として、ラミネートセル形状のリチウム対称セルによる溶解析出試験およびリチウム金属二次電池による充放電試験を行った。 昨年度は、実際に短絡防止層として使用する3DOM PI-イオンゲル複合電解質膜の作製を試みた。イオンゲルは濃厚イオン液体電解液をポリマーによってゲル化したものであり、今回はビニルモノマー(メタクリル酸メチル)を熱によってラジカル重合させる手法を採用した。この手法は液体状のイオンゲル電解質前駆体が得られ、3DOM PI中への充填をより容易にすることができた。 最終年度では、この複合電解質膜(短絡防止膜)を実際に酸化物系の固体電解質とリチウム金属の界面に導入し、その性能の評価を行った。リチウム溶解析出試験・充放電試験共に短絡防止層による内部短絡の抑制が確認され、現時点では2倍以上サイクル特性が向上している。
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