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2022 Fiscal Year Annual Research Report

環境の幾何学的デザインが拓く超蛍光の新たな多体相関機構

Research Project

Project/Area Number 22J14274
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionOsaka Metropolitan University

Principal Investigator

白木 啓文  大阪公立大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2022-04-22 – 2024-03-31
Keywords超蛍光 / キラリティ / プラズモン / 指向性 / 光圧
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、超蛍光と呼ばれる発光現象が持つ様々な特徴が環境構造によってどのように変調させられるかを明らかにすることである。当該年度は、主に超蛍光の発光強度と指向性がどのように変化するのかに着目し複数の重要な成果を得た。さらに、それらの特徴によって発光体同士に発光による光圧が作用する可能性について考えた。
(1)採択以前より取り組んでいた、キラルな環境構造がらせん状に並んだ発光体における超蛍光の発現に選択的に影響を与える効果について、当該年度はこの選択性が生じる原因について各発光体の励起占有率の変化や発光体近傍での偏光分布の変化から明らかにした。またこの一連の研究を論文にまとめPhysical Review Aに投稿し、掲載された。
(2)発光体の配列を、遺伝的アルゴリズムを活用して超蛍光の指向性が最適化される発光体間隔を計算し、その間隔においてどのような相関が強い指向性をもたらすのかを明らかにした。特に、有限の発光体配列の場合に発光方向が配列方向からずれることや、最適な間隔が必ずしも半波長と一致しないなどの重要な知見を得た。この成果は超蛍光を用いた光源開発の際の指導原理の一つとなるものである。結果はJournal of Physical Society of Japanに投稿され、掲載された。
(3)新たに超蛍光が各発光体に与える光圧とその光圧によってどのような運動が起こるのかについても取り組んだ。これまでに超蛍光研究において発光体同士に作用する光圧が研究された例はなく、これまでの発光強度や指向性に関する知見を活かし、超蛍光の特徴が反映された運動について初めて明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、金属構造などを含む様々なモデルにおいて超蛍光の発光強度や偏光分布、指向性などに着目しながら、超蛍光における発光体同士の多体相関の形成や同期現象に与える影響について明らかにすることができた。そして、それらから得られた成果について、2本の論文を投稿し、掲載された。これらの成果は、本研究の完成によってもたらされる、微細な幾何学的構造を含む環境が作り出す場によって、超蛍光の空間特性が強く変調される新たな相関機構を開拓と、コヒーレント光源の応用へ向けた新たな指導原理へと繋がる重要な成果であると考えられる。また、超蛍光の指向性の計算では、遺伝的アルゴリズムを用いることによって新たな知見を得ることに繋げており、直感的理解が難しい多体問題などを包括的に理解するための新しい方法論に繋がる成果であると考えている。
さらに、超蛍光による光圧とそれによってもたらされる発光体の運動については、当初の計画には無かった発想からもたらされた成果である。これらのことから、当該年度において本研究は当初の計画以上に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

本研究の今後の推進方策として、研究計画には含まれていなかった新たな成果である、超蛍光による光圧と、その光圧による運動について取り組んでいく予定である。特に、これまで取り組んできた金属構造などを含むような環境系において超蛍光による光圧がどのように働くのかを明らかにしていくことで、環境構造を介した特徴的な運動などを引き起こすことが出来ないかといったことについて明らかにしていきたい。
さらに、2年目の計画に含まれていた実験グループとの共同研究についても考えていきたい。実験グループへの理論研究からの実験系の提案など言った方向性から共同研究の可能性などを探っていきたい。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Directional Characteristics of Superfluorescence Controlled by Spatial Configurations2023

    • Author(s)
      Shiraki Hirofumi、Yokoshi Nobuhiko、Ishihara Hajime
    • Journal Title

      Journal of the Physical Society of Japan

      Volume: 92 Pages: 024402

    • DOI

      10.7566/JPSJ.92.024402

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Chirality-selective superfluorescence based on chiral interactions2022

    • Author(s)
      Shiraki Hirofumi、Yokoshi Nobuhiko、Ishihara Hajime
    • Journal Title

      Physical Review A

      Volume: 106 Pages: 053511

    • DOI

      10.1103/PhysRevA.106.053511

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 超蛍光の指向性に対する発光体集団の空間構造の影響2022

    • Author(s)
      白木啓文、余越伸彦、石原一
    • Organizer
      日本物理学会 2022年秋季大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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