2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comparison of humoral responses induced by COVID-19 infection and mRNA vaccines.
Project/Area Number |
22J15985
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
仁田原 裕子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
|
Keywords | ワクチン免疫 / SARS-CoV-2 / メッセンジャーRNAワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、COVID-19ワクチン接種者と、COVID-19患者の血清ライブラリ選抜とウイルス中和試験、及びペプチドアレイの作成を実施した。 血清ライブラリ選抜においては、COVID-19患者群のうち、全身性の臨床症状を経た中等症者と重症者の患者血清と、ワクチン接種者血清からなる血清ライブラリを選抜した。その結果、患者群より20サンプル、ワクチン接種者群より21サンプル、計41サンプルを得た。それぞれの群の血清は、受容体結合ドメイン(RBD)に対する抗体価が同程度であるものを選抜した。 これらの血清を使用し、ウイルス中和試験を実施した。BSL3実験室で、Wuhan株のSARS-CoV-2を使用し、両群血清を用いたウイルス中和試験を行い、感染培養細胞の細胞変性効果の程度でウイルス中和活性を測定した。この中和活性の強弱の結果をもとに、エピトープ解析対象とする血清を、患者血清10サンプル、ワクチン血清5サンプル選別した。両群のウイルス中和能は、ばらつきが同程度となるよう考慮した。 次に、RBDのアミ ノ酸全長配列をもとに、ペプチドアレイを作成した。具体的には、RBD配列のN末端から15ペプチド鎖ずつ、3アミノ酸ずらしで、セルロースメンブレン上にペプチドスポットアレイを作成した。このアレイを、両群より選抜した血清と反応させた。反応のあったペプチドを、化学発光法により半定量評価し、各血清のエピトーププロファイルを得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に実施予定であった、血清ライブラリ選抜とウイルス中和試験、及びペプチドアレイの作成を実施完了し計画通り実施できている。しかし、当初ウイルス中和試験において使用するウイルスは、Wuhan株のみならず後出の変異株を含めていたが、変異株を用いた実験は未完であるため、おおむね順調に進展している、とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度より、COVID-19ワクチン接種者と感染患者のウイルス中和能の結果とエピトーププロファイルの結果をもとに、それぞれの血清に含まれる抗SARS-CoV-2 RBDポリクローナル抗体から、高中和活性に寄与すると予想される抗体が持つエピトープを同定する。 加えて、入手可能となった感染歴のないワクチン接種者と感染歴をもつワクチン接種者がもつ液性免疫を評価することを目的とし、昨年度に実施したエピトーププロファイル解析に加え、オミクロン株等の変異株を用いたウイルス中和能試験や変異ペプチドアレイを作成し、両群を比較する。
|