2023 Fiscal Year Research-status Report
COVID-19患者とワクチン接種者のSARS-CoV-2中和抗体の比較研究
Project/Area Number |
22KJ2622
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
仁田原 裕子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Keywords | SARS-CoV-2 / 獲得免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023度はCOVID-19患者の血清ライブラリの変異ウイルス中和試験及び変異ウイルスのスパイクタンパク質配列を用いたペプチドアレイの作成を行った。加えて、末梢血単核細胞(PBMC)由来のT細胞B細胞受容体レパトア解析を行った。 SARS-CoV-2既感染者およびワクチン接種者の血清を使用し、ウイルス中和試験を実施した。BSL3実験室で、Wuhan株をはじめとしAlfa株、Delta株、Omicron株を含む変異株SARS-CoV-2を用いたウイルス中和試験を行った。感染培養細胞の細胞変性効果の程度でウイルス中和活性を測定した。 次に、RBDのアミ ノ酸全長配列をもとに、ペプチドアレイを作成した。具体的には、RBD配列のN末端から15ペプチド鎖ずつ、3アミノ酸ずらしで、セルロースメンブレン上にペプチドスポットアレイを作成した。今年度は、Wuhan株配列に加えて、Omicron株を含む変異株ウイルスのRBD配列を作成した。このアレイを、両群より選抜した血清と反応させ、反応のあったペプチドを、化学発光法により半定量評価した。これにより各血清のエピトーププロファイルを得、これらの結果をウイルス中和活性試験の結果と照らし合わせ、中和活性に寄与すると考えられるエピトープを同定した。 さらに、PBMCからT細胞・B細胞受容体の塩基配列を得た。これ元に、SARS-CoV-2に特異的に反応すると考えられる受容体可変領域のアミノ酸配列を特定し、レパトア解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった感染者とワクチン接種者の獲得免疫の差異を明らかにし、中和に寄与すると考えられるエピトープを同定した。また計画当初には存在しなかった変異ウイルスの出現に伴い、それらを用いた中和活性試験およびエピトープ解析を行った。加えて細胞性免疫の解析にも着手している。
|
Strategy for Future Research Activity |
感染とワクチン接種が混合したハイブリット免疫を持つ個人の獲得免疫についても、液性免疫と細胞性免疫の両側面から免疫の質的評価を行っていく。
|
Causes of Carryover |
採用中断期間により、PD採用期間が2024年6月30日までと延長されたため。次年度予算は研究用物品に使用予定である。
|