2023 Fiscal Year Annual Research Report
Phenotypic analyses of Alzheimer's disease using hiPSC-derived 2D/3D culture models
Project/Area Number |
22KJ2669
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
SUPAKUL SOPAK 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / iPS細胞 / in vitroモデル / 共培養系 / 性ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新規iPS細胞株の樹立、様々なアルツハイマー病(AD)患者由来のin vitro細胞モデルの確立を行い、女性ホルモンのAD病態への効果を検証した。2021年度にはADと性差の効果に関する総説(Supakul et al. Front Aging Neurosci. 2021)、2022年度には孤発性AD患者の尿由来細胞からiPS細胞の樹立(Supakul et al. Stem Cell Res. 2022)の論文を報告した。2023年度には高齢者の孤発性AD患者から尿由来の細胞を用いてiPS細胞を樹立し、樹立したiPS細胞が様々な2次元培養の神経系モデルや3次元脳オルガノイドに分化誘導可能であることを示した(Supakul et al. Aging Brain. 2023)。さらに、iPS細胞由来の神経細胞とアストロサイトの新規な共培養系を開発した。この共培養系では、神経細胞の細胞活動や突起の複雑さが増し、シナプス前部におけるシナプス小胞の数が増加した。アストロサイトでは、プロセスの複雑さやGFAP陽性細胞の割合が増加し、共培養系では単培養系よりも各種細胞における成熟した特徴が得られた。さらに、家族性アルツハイマー病患者由来のiPS細胞(APP V717L株)の共培養系では、健常者由来のiPS細胞の共培養系と比較して、AD病態のアストログリオーシス様表現型やアストロサイトの肥大化を観察できた(Supakul et al. Inflamm Regen. 2024)。また、in vitroモデルを用いたADの表現型に対する17β-エストラジオール(E2)の投与効果の検証を行い、Ca imagingにおける神経活動性の上昇、神経突起伸長や分岐の促進、アストログリオーシスを緩和する効果を認められた(Supakul et al. Regen Ther. 2024)。
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