2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Remote Bismetalation Reaction of Alkenes via Chain Walking
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22J13075
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菅野 翔太 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 遠隔二官能基化 / チェーンウォーキング / ボリル化 / アルケン / パラジウム触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)アリール基を有するアルケンの遠隔ジボリル化 アリール基が導入されたアルケンを用いることで、環化過程を必要としない遠隔ジボリル化がわずかながら進行することを見出していたため、まず収率向上を目指して反応条件の検討を行なった。その結果、配位子、溶媒量および反応温度の調整により収率を70%超まで向上させることに成功した。続けて基質上の置換基の効果を調べたところ、置換基により収率に顕著な差がでることが分かった。置換基の効果により、本反応の鍵過程であるσ結合メタセシスに影響が出たと考えられる。
(2)1,n-ジエンの遠隔ヒドロホウ素化・環化反応 アルケン部位のボリルパラジウム化につづく遠隔官能基化として、1,n-ジエンとヒドロボランの反応を検討した。条件検討の結果、1,n-ジエン(n=7-9)から五員環部位を有するアルキルボランを得ることができた。形成されるC-B結合と分子内C-C結合が離れた位置に構築されており、従来なかった形式である遠隔ヒドロホウ素化・環化反応を達成した。さらに反応条件を変更することで、1,6-ジエン類のヒドロホウ素化・環化反応が高収率で進行することも見出し、1,6-ジエンとヒドロボランの反応によりボリルメチル基を有する五員環生成物を得ることに初めて成功した。本反応の有用性を示すための応用展開も行った。いくつかの生物活性物質の骨格として知られている3,4-ジアルキルピロリジンを、容易に入手可能なジアリルアミン類から一工程で構築できるだけでなく、導入されたホウ素官能基を用いたさらなる変換も可能であることを実証した。本研究成果は、The Journal of Organic Chemistry誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
反応条件に関する研究を経て、高い収率で目的物を得られることを見出すとともにアルケン基質適用範囲の拡大まで行い研究計画1および3を達成したが、当初の研究計画に据えていなかった1,n-ジエンのヒドロホウ素化・環化反応に関する研究に取り組み、想定よりも時間を費やしたため。これは反応条件を最適化するにあたり、基質による反応性の違いが大きく、個別最適化に想定よりも時間を要したためであると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
アリール基を有する様々なアルケン基質に対して遠隔ジボリル化が進行することを見出したが、収率改善の余地がある。そこで今後はまず、反応収率のさらなる向上に加え、より一般的な反応条件を確立させられるように知見を得る。特に、配位子の影響が大きいことが分かっているため、配位子母骨格の検討などを行う。 その後、得られた条件をもとに、アルケン上へ様々な置換基を導入して汎用性の高い反応へつくっていく。また、生成物に導入された官能基のさらなる変換により、従来困難であった多様な合成戦略へと展開させていく。
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Research Products
(5 results)