2022 Fiscal Year Annual Research Report
確率的モデリングと逐次的意思決定を連成した天体探査ロボットの自律移動の実現
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22J22731
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
遠藤 正文 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 自律移動システム / 経路計画 / 環境理解 / 確率的モデリング / 機械学習 / 月惑星探査 / ロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、軟弱地盤でローバに生じる車輪スリップを逐次的に学習しながら環境に潜在するリスクへの頑健性を向上する、未知環境適応型自律移動システムを構築することを目的とする。この実現に向けて、本年度は以下の研究課題に取り組んだ。 まず、ローバの走行不能状態(スタック)を引き起こす車輪スリップを予測対象として、スリップモデルの学習を行うための能動的環境探索手法を構築した。ガウス過程回帰で予測される同モデルの予測精度向上を目的とした環境探索を情報量最大化経路計画問題として定式化した。そして同問題において、スタックに陥らずスリップが生じうる地形を探索するという条件を確率的制約に基づき適用し、連続空間上で情報量が最大となる経路を探索するプランナーを実装した。シミュレーション環境にて、提案手法に基づきローバが安全かつ効果的にスリップの逐次学習を行うことを確認し、能動的なスリップモデル学習の有効性を明らかにした。 また上記に加えて、火星など複数地形が散在する不整地環境下における、機械学習と経路計画を融合したアルゴリズムの研究を実施した。決定論的な学習モデルに生じる予測誤りに対処するため、スリップの予測結果を確率的に表現し、確率分布から統計的指標を算出して経路計画のコストを推定した。シミュレーション環境において実験を行い、提案手法が既存のアプローチと比較してより安全かつ効率的なナビゲーションを実現することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、未知環境適応型自律システムの基盤となるアルゴリズムの構築を進め、これらの成果をロボティクス分野での著名な国際会議・国際学術誌にて発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、本年度で構築したアルゴリズムを基盤として引き続き自律移動システムの構築に取り組む。併せて、所属研究室が所有するローバテストベッドを用いた実環境での評価実験を計画している。
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Research Products
(4 results)