2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular mechanisms that generate individual differences in trust
Project/Area Number |
22J12618
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
寿 秋露 玉川大学, 脳科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 信頼 / オキシトシン / 一般的信頼 / 用心深さ / 扁桃体 / 脳機能 / オキシトシン受容体遺伝子 / 関係流動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は一般成人を対象に、信頼の個性を生み出す分子レベルのメカニズムを解明するために研究を行った。本研究は信頼行動に影響することが証明されたオキシトシンに注目した。唾液からオキシトシン濃度を測定し、山岸信頼理論による信頼を構成した2因子の関係を調べた結果、唾液中オキシトシンは一般他者の善良さに対する信念である一般的信頼ではなく、裏切られるリスクがある状況での用心深さのみと関係することがわかった。具体的に、唾液中オキシトシン濃度が高いほど用心深さが高いことが明らかにした。またオキシトシンと用心深さの関係の脳構造の媒介効果を調べたところ、オキシトシン濃度と扁桃体の関係性の性差を発見した。男性において唾液中オキシトシン濃度が高いほど扁桃体の体積が大きく、女性は逆に濃度が高いほど扁桃体の体積が小さくなることを明らかにした。さらに、脳機能の媒介効果を調べた結果、楔前部の次数中心性が唾液中オキシトシン濃度と信頼の一部である用心深さの関係において媒介効果を持っていることがわかった。また、社会環境が信頼の個性に与える影響を調べるために、オンライン調査で日本国内の20の県庁所在地に住んでいる約2000名の一般成人を対象に分析を行なった。結果は社会環境の指標である関係流動性が高いところに住んでいる人ほど一般的信頼が高くなる傾向があった。そこで社会環境が信頼に対する影響を解析するために本研究はOXTR(オキシトシン受容体遺伝子)のメチル化に注目した。OXTRと向社会行動の分析により、向社会行動の意思決定時間が短い人ではOXTRのメチル化と向社会行動が関連するが、向社会行動の意思決定時間が長い人ではOXTRのメチル化と向社会行動の関連が見られないことを明らかにした。この後、関係流動性と信頼の関係においてオキシトシン受容体遺伝子のメチル化が媒介するかどうかを分析する予定である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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