2021 Fiscal Year Annual Research Report
対人場面における自他の印象形成メカニズムについての認知科学的研究
Project/Area Number |
21J01431
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
米満 文哉 広島大学, 人間社会科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 感情 / 顔認知 / 印象形成 / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,他者もしくは自己の印象がどのように形成されるのかということについて自己と他者及びそれらが存在する場というコミュニケーションを形成する全ての要素に着目することで,自己と他者の印象形成メカニズムの解明を目指すものである。当該年度は,同一空間内に同じ顔を有している複数の人物(多重重複顔)によって喚起される不気味現象であるクローン減価効果を利用して他者の印象形成メカニズムを明らかにするために,多重重複顔の呈示時間を操作してクローン減価効果生起の時間的側面を明らかにする研究,多重重複顔の印象評価時の認知資源の消費量を操作して他者印象形成における認知資源の影響を検討する研究の実験準備を行い,呈示時間や認知負荷課題の選定を行った。また,文章によって形成される他者の印象が,あと知恵バイアスによってどのように変調されるのかについて関連研究として実験準備を行っており,刺激文の選定を行った。業績としては,査読つき論文が国際誌に1本掲載された。掲載された論文の研究は,クローン減価効果が顔のパターンの重複によるものではなく顔のアイデンティティによるものであることを,スクランブル顔を用いることで示唆しており,これは本研究を展開していく上で核となる知見である。この知見を基にして今後はより一層研究を深く展開していくことが可能になるものと思われる。さらに,関連研究についても査読付き国際誌に1本の論文が投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに,実験準備を完了させている。また,文章によって形成される他者印象形成の研究という新たな実験案の準備も関連研究として進めることができている。この2点より計画は順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度にて準備を進めてきた,多重重複顔の呈示時間を操作する研究と多重重複顔の印象評価時の認知資源を操作する研究に関する実験を実施して研究を進めていくと同時に,文章によって形成される他者印象形成の研究も進める。実験室実験が不可能になった場合は,実験計画をオンライン実験にあった形に計画を調整してオンライン実験を行う。
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Research Products
(1 results)