2022 Fiscal Year Annual Research Report
混合ノルムを用いた関数空間の発展とその偏微分方程式への応用
Project/Area Number |
22J00614
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
野ヶ山 徹 中央大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
|
Keywords | 混合ノルム / モレー空間 / Littlewood-Paley分解 / ウェーブレット / 補間不等式 / Keller-Segel方程式 / 最大正則性 / 特異極限 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、作用素の有界性や関数の分解という観点から混合ノルムを用いて関数空間の構造を解析し、偏微分方程式へ応用することである。今年度は、関数空間の分解と補間及び偏微分方程式への応用を中心に研究を行い、いくつかの結果を得た。また、その成果を論文として発表した。以下、研究実績について述べる。 1. 混合モレー空間及びその前双対空間のリトルウッド・ペイリー分解を用いた特徴付けを与えた。また、リトルウッド・ペイリー分解を応用して、混合モレー空間のウェーブレットによる特徴付けを与えた。本結果は、論文としてまとめており、投稿前の最終確認段階である。 2. 混合モレー空間において、ヘルダーの不等式の一般化であるリトルウッドの不等式についての研究を進めた。この不等式は強型ノルムを弱型ノルムで評価する補間不等式の一種である。本研究では、混合ノルムを弱型ノルムで上から評価するには、少なくとも4つの混合の弱型ノルムがあれば評価できることが分かった。本結果は、これまで得られた結果とともに論文としてまとめている途中である。また、国内学会において口頭発表を行った。 3. 偏微分方程式への応用として、熱方程式の最大正則性評価を応用したケラー・ジーゲル方程式の可解性と特異極限問題について研究を進めた。本研究では時間を表す関数空間としてローレンツ空間を採用し、評価を改良している。これにより、最大正則性評価を適切に用いることができ、ケラー・ジーゲル方程式の可解性と特異極限問題について結果を得ることに成功した。本研究結果は、国外査読付き雑誌に受理され、オンラインにて出版済みである。また、国内セミナーにて口頭発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
混合ノルムを用いた関数空間の解析が進展している。また、偏微分方程式への応用に取り組むことができ、結果を得ることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
1. 混合モレー空間におけるフーリエ乗子作用素や擬微分作用素の有界性に関する研究を推進する。 2. 混合モレー空間におけるマルチンキーヴィッツ型の補間定理について研究を進める。 3. 混合ノルムを備えた関数空間における最大正則性評価について研究を進め、ナビエ・ストークス方程式をはじめとした偏微分方程式の可解性に関する研究を推進していく。
|