2023 Fiscal Year Research-status Report
近赤外分光法と脳波を用いた社会性認知発達の神経基盤の解明
Project/Area Number |
22KJ2772
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
都地 裕樹 中央大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 乳児 / 社会的発達 / 脳波 / 近赤外分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究をより発展させるために、発展課題である脳波解析技術による予期能力の可視化に取り組んだ。成人で報告されている顔の好みに対する脳波のデコーディング技術(Davis et. al, 2021)を乳児に応用し、予期的な脳活動のデコーディング技術の開発を目指した。しかし、デコーディングに用いる分類器の作成のための学習データとして膨大な脳波データが必要であったが、乳児は長時間の計測が困難なため十分なデータの収集ができなかった 一方、乳児の社会的認知の発達を明らかにするために自律神経系の活動に着目した研究成果が国際論文雑誌Journal of Experimental Child Psychologyに採択された。具体的には、乳児の瞳孔径の同調現象には情動反応が伴うことを皮膚電気反応を計測することで明らかにした。さらに、この乳児の瞳孔径の同調現象に人種効果が見られるか検討した。その結果、生後5・6ヶ月では自人種の顔に対して生じた乳児の瞳孔径の同調現象の倒立効果は他人種顔では生じないが、生後7・8ヶ月には他人種顔に対しても瞳孔径の同調現象の倒立効果が生じた。この研究成果を国際論文雑誌Scientific Reportsに投稿しており、採択される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、発展課題である脳波解析技術による予期能力の可視化に取り組んだが、デコーディングに用いる分類器の作成のための学習データとして膨大な脳波データが必要であったが、乳児は長時間の計測が困難なため十分なデータの収集ができなかった。そのため、短い計測でも十分なデータを収集できる実験計画を再考する必要が生じたため、進捗状況としてはやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
短い計測でも十分なデータを収集できる実験計画を再考する。または、少ない学習データでも性能の良い識別器を作成する手法を模索する。
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Causes of Carryover |
学術条件整備追加交付額に未使用額が生じたため
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