2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of A Novel Disease Model for Hypertensive Disorders of Pregnancy Using Menstrual-Blood-Derived Cells from Patients
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22J23244
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
細谷 聡史 東京慈恵会医科大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 月経血 / 間葉系幹細胞 / 3次元培養 / 脱落膜化 / 子宮内膜上皮細胞 / 子宮内膜間質細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に我々は患者由来のMenSCsの初代培養系の確立とその細胞特性解析を行った。主に不妊外来に通院中である不妊症患者から外来での内診時に月経血を採取し初代培養を行った。対象となった16症例のうち10例で紡錘形の間葉系細胞の初代培養に成功した。採取された細胞において間葉系幹細胞の特徴であるプラスチック培養皿への生着性・増殖性を有すること、脂肪・骨・軟骨への分化能を有すること、またFlow cytometryにより間葉系幹細胞に特徴的である表面マーカーのCD73, CD90, CD105が陽性であることを確認した。以上より我々は月経血間葉系幹細胞の初代培養系を確立することができた。次に我々はコラーゲン基質を用いた子宮内膜の3次元培養法の検証を行った。具体的には1×10^6個の子宮内膜間質細胞をコラーゲンゲルとともに1週間培養し子宮内膜間質シートを作成したのち、1×10^6個の子宮内膜上皮細胞をシート上に播種しさらに1週間培養した。本手法で作成したシートは組織学的に子宮内膜様構造を有し、またエストロゲン、プロゲステロン、cAMPの添加により脱落膜化(ホルモン反応性)に関わる因子(PRL、IGFBP-1)のmRNA発現の上昇をqRT-PCRで確認した。以上より我々は子宮内膜の3次元培養法の基盤技術を確立することができた。以上の通りこれまでの研究の進捗状況は順調である。今年度は患者由来月経血間葉系幹細胞のパラクリン能を評価するとともに、3次元子宮内膜シートと絨毛細胞との共培養系の確立を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は研究報告書での記載の通り、不妊患者由来の月経血間葉系幹細胞の採取方法の検討とそれら細胞の細胞特性の解析を行い、不妊患者由来月経血間葉系幹細胞の初代培養法を確立した。また子宮内膜の3次元培養法も検証し、in vitroで子宮内膜としての機能を有する3次元子宮内膜シートの作成にも成功した。これまでのところ予定通り研究課題の立案・検証を段階的に行いながら、現状では年度計画の予定通り順調に研究を進行させている。次年度ではこれまで通り本研究計画を遂行していくのみならず、学会発表等を通じて広く研究成果を発信する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は患者由来月経血間葉系幹細胞のパラクリン能を評価するとともに、3次元子宮内膜シートと絨毛細胞との共培養系の確立を検証する予定である。また学会発表等を通じて広く研究成果を発信する予定である。
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