2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KJ2806
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
千代 祐太朗 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 走化性方程式系 / 感受性関数 / 非局所項 / 退化型拡散項 / 解の時間大域存在 / 解の有界性 / 解の漸近挙動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「準線形走化性方程式系に対する数学的研究基盤の構築」に向けて,2023年度は以下の研究を実施した。 (1)特別な形の感受性関数を含む走化性方程式系の解の時間大域存在及び有界性を導出した。その後,より一般の感受性関数を含む場合にも解の時間大域存在及び有界性を証明した。いずれも,感受性関数に対するある種の小ささに関する条件を決定することにより証明した。これらの研究は,今後一般の感受性関数を含む走化性方程式系の考察の幅を広げることに役立つと考えられる。 (2)非局所項をもつ走化性方程式系の解の時間大域存在及び有界性を,非局所項に含まれるパラメータの非局所項をもつ条件を決定することにより導出した。非局所項をもつ走化性方程式系の研究はこれまで30件前後しかなく,まだ開拓の余地が残されている。この研究では,この方程式系の研究を深化させるための足掛かりを築くことができたと考えている。 (3)退化型拡散項をもつ誘引・反発型走化性方程式系の解の時間大域存在と有界性及び漸近挙動を示した。この研究は,研究代表者による非退化型拡散項をもつ誘引・反発型走化性方程式系の解挙動に関する研究を基礎としている。 上記の(1),(2)は,研究成果を論文としてまとめ専門誌に投稿し,受理されている。(3)については,現在論文をまとめている段階である。これらの研究で築いた手法をもとに,より汎用性の高い手法を確立することが今後の課題である。
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