2022 Fiscal Year Annual Research Report
利用履歴の解析に基づく需要予測を用いた動的な自転車再配置問題に対する解法
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22J12396
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
對馬 帆南 東京理科大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | バイクシェアリングシステム / 組合せ最適化 / 点過程 / 複雑ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は,従来の公共交通機関よりも利便性が高いとされるバイクシェアリングシステム(BSS)で発生する自転車の過不足問題を解決するための研究を行っている.本研究は,実際のBSSの利用履歴情報の解析結果を使用し,動的な自転車再配置問題に対する高性能な解法を開発することを目的とする. 採用1年目までは,実際のBSSの利用履歴情報における自転車の貸出・返却のタイミングをイベントの発生とした点過程としての解析を行い,BSSの貸出・返却のパターンの調査を行った.研究結果から,自転車の貸出・返却のタイミングのパターンは規則的ではないことがわかった. また,貸出された自転車がどのポートに返却されるのかを複雑ネットワーク理論の観点から解析し,BSSにおける自転車の移動パターンを定量的に評価した結果,自転車の移動パターンは都市によって異なることがわかった.これらの結果を用いて,採用2年目は,再配置作業中にも各 ポートの自転車台数が変化する動的な自転車再配置問題のインスタンス作成や利用可能な自転車,返却不可能な自転車台数を最小化する動的な 自転車再配置問題に対する高性能な巡回経路の解法開発へと繋げる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採用1年目は,BSSで貸出された自転車がどのポートに返却されるのかを複雑ネットワークの観点から解析し,得られた研究結果に基づき,投稿予定論文が1編,学会への参加が3件あるため,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は再配置作業中にも各ポートの自転車台数が変化する動的な自転車再配置問題のインスタンス作成や利用可能な自転車,返却不可能な自転車台数を最小化する動的な自転車再配置問題に対する高性能な巡回経路の解法開発へと繋げる. また,得られた解析結果はBSSの動的な自転車再配置問題への応用のみならず,人の移動のダイナミクスの理解へも繋げる予定である.具体的には,2020年から流行している新型コロナウイルス感染症の流行とBSSの利用パターンの関係,天候とBSSの利用パターンの関係などである.また,日本のBSSの利用データを使うことで,日本特有の問題である,地震などの災害と災害時に利用されるBSSの利用パターンの関係の調査も可能になる.
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