2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Causality Analysis Method for Point Processes Based on Nonlinear Dynamical Systems Theory and Elucidation of the Representation of Information Processing in the Brain
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22J14621
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
澤田 和弥 東京理科大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 非線形時系列解析 / 因果性解析 / 点過程 / マーク付点過程 / スパイク列 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず,時系列データに対する従来の因果性検出手法を点過程,特に神経スパイク列に拡張した手法を提案した.数値実験により,数理モデルから生成したスパイク列に対し,提案手法による因果性検出が可能なことを示した.また,提案手法を適用する際の適切なパラメータの検討も行った.さらに,提案手法の一部を改変した手法も検討し,提案手法の有効性を示した. また,因果性解析を含む非線形時系列解析において,時系列データから力学系を再構成する技術は重要である.ここで,再構成の際のパラメータを適切に設定することは重要である.そこで,時系列から力学系を再構成する際の再構成パラメータを網羅的に変化させることで,適切な再構成パラメータの条件を調査した.具体的には,5つの非線形力学系のアトラクタとその再構成アトラクタの2点間距離分布の類似度により,適切な再構成パラメータを探索した.その結果,先行研究で議論されている埋め込み窓の重要性を定量的に示すことができた. 現在,提案因果性検出手法をマーク付点過程 (MPP) に拡張した手法を検討している.数値実験の結果,提案因果性検出手法をMPPに拡張した手法はMPPに対する因果性検出にも有効であることを確認した.最後に,脳内の情報流の推定に応用するために,時々刻々と構造が変化するようなテンポラルネットワークの非線形ダイナミクスの調査も行った.実際に計測されたコンタクトデータから生成したテンポラルネットワークに対して解析を行い,ネットワークの時間発展に再帰性が存在することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において重要となる点過程間の因果性解析手法に関して,4件の学会発表を行っており,投稿予定論文が 1 編ある.また,非線形力学系を扱う上で重要な技術である力学系の再構成の際の適切なパラメータ選択に関する原著論文も1 編ある.その他,非線形時系列解析の応用的な内容で3 件の学会発表を行っており,概ね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,すでに提案したマーク付点過程 (MPP) からの力学系再構成の手法を用いてMPPに対する高精度な時空間非線形予測手法を開発する.また,開発した予測手法を用いて,相互予測精度に基づいたMPPに対する因果性検出手法を検討・開発する.さらに,大規模な結合力学系から得られるMPPに対して,提案した因果性検出手法を適用し,提案手法の有効性を検証する.結合力学系から得られる複数のMPPのみから情報流の推定を行い,重み付き有向ネットワークの構造を復元する技術の検討・開発も行う予定である.これらの技術を神経細胞の数理モデルから生成したニューラルネットワークに対して適用し,どのようなネットワーク構造でより効率的に情報が伝達されるのか,どのように外界の情報を符号化・処理しているかなどに関して調査する予定である.
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Research Products
(8 results)