2021 Fiscal Year Annual Research Report
がんサバイバーに対する自宅での高強度短時間間欠的運動トレーニングの効果
Project/Area Number |
21J01471
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
街 勝憲 法政大学, 生命科学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 高強度・短時間・間欠的運動トレーニング / がんサバイバー / 心機能 / 心毒性 / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題1は、手術後にホルモン療法以外のがん薬物療法が必要でなく、手術後2~13ヵ月の運動習慣がない日本人の乳がんサバイバーの基礎体力データを入手すること、および簡易測定法から最高酸素摂取量や筋力の推定可能性を検討することであった。対象は20歳以上60歳未満の女性とし、測定項目は最高酸素摂取量、安静時心拍数、脚筋力、6分間歩行距離、イス立ち上がりテスト、握力、体組成とした。本研究により日本人乳がんサバイバーの最高酸素摂取量を初めて示すことができた。しかし、最高酸素摂取量を簡易測定法から予測するには、さらなる検討が必要であることが示唆された。また、高強度・短時間・間欠的運動プログラムを自宅にて週3回、12週間実施させ、運動効果を確認した。さらに、24週、36週時点の患者報告アウトカムを確認した。運動プログラム実施前後から追跡期間の評価項目に関する結果について解析を進めた。 研究課題2は、ステージⅠ-IIIの浸潤性乳がんと診断され、治療を意図したがん薬物療法を終了し、運動習慣がない20歳以上の女性の乳がんサバイバー80名を対象に、運動プログラムを実施することが対照群と比較して左室駆出率、トロポニンおよび主要心血管イベント、血管内皮機能に及ぼす影響について検討することを目的とした。国内がん拠点2病院との研究実施に関する調整を開始した。また、研究実施施設における倫理審査委員会承認を受けるための臨床研究計画書の作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題1について、女性の乳がんサバイバー(20-59歳、術後13カ月以内、ステージI-IIa)50名の身長、体重、6分間歩行距離及び最高酸素摂取量を測定した。従属変数を最高酸素摂取量、説明変数を年齢、身長、体重、6分間歩行距離とした重回帰分析を行った。最高酸素摂取量の実測値と重回帰分析による予測値との相関及び平均値の差を算出した。その結果、参加者の平均年齢、身長、体重、6分間歩行距離及び最高酸素摂取量はそれぞれ48±6歳、159.3±6.0 cm、53.2±6.3kg、597±54m、25.0±3.6 ml/kg/分であった。重回帰分析の結果、実測値と予測値との間に有意な中程度の正の相関関係が認められ (r=0.463、p<0.001)、平均値の差は-0.15±3.23mL/kg/分であった。本研究により日本人乳がんサバイバーの最高酸素摂取量を初めて示すことができた。しかし、最高酸素摂取量を簡易測定法から予測するには、さらなる検討が必要であることが示唆された。本研究成果は、国内の学会にて発表を行い、さらに解析結果を論文にまとめ、国際誌へ投稿し、2022年1月に採択、公開された。 研究課題2について、研究実施施設内における心血管系アウトカムの測定実施のための測定室の確保、測定フローの確認を行った。また、研究実施施設における倫理審査委員会承認を受けるための臨床研究計画書の作成を進めた。研究課題について、国内外の学会に参加し最新情報を収集した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題1は、運動プログラム実施前後の主要評価項目に関する結果について解析を進める。得られた結果をもとに、国内外の学会にて発表を行う。解析結果をもとに、論文の執筆および投稿を行う。 研究課題2は、国内がん拠点2病院との研究実施に関する調整を開始する。運動介入研究の予備的調査として、観察的にがん薬物療法による最高酸素摂取量、心機能等に及ぼす影響を経時的に評価し、研究実施施設におけるアウトカム評価の体制を整える。同時に、研究対象者のリクルートから調査を円滑に勧められるような説明文書の作成、評価担当者のトレーニングを行う。研究開始の準備が整い次第、倫理審査委員会への申請を行う。倫理審査委員会承認後、参加者登録および測定・介入を実施する。介入はオンラインあるいはwebアプリケーションを介して行う。最高酸素摂取量、心機能等の測定は、研究実施施設で行う。また、患者報告アウトカムは、ePROシステムを介して取得する。年度内に研究参加者数を50%(40名)集積する。あわせて、プロトコル論文の執筆、投稿を目指す。また、国内外の学会に参加し最新情報を収集するとともに学会発表の申し込みも行う。
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