2022 Fiscal Year Annual Research Report
対人魅力が対人運動協調の「相性」に及ぼす影響とその神経基盤の解明
Project/Area Number |
21J01257
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
向井 香瑛 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
|
Keywords | 対人運動協調 / 身体同期 / 対人魅力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、対人魅力が対人協調の「相性」に及ぼす影響とその神経基盤の解明を目指すために計画された。当該年度は、対人魅力の程度が無意識・意識的な身体運動に及ぼす影響について検証するため、実験心理学的手法を用いて、事前に準備したヒトの全身の映像の魅力を評価してもらう課題を行ったのち、映像の人物との身体的相互作用実験を実施する予定を立て研究を進めた。魅力度の評価課題は予定通り進めることができたものの、身体的相互作用実験を行うにあたり、複数の検討・修正事項が生じたため、現在は研究実施計画を一部変更し、研究を進めている。 また2023年6月から、訪問研究員としてMacquarie大学(オーストラリア、シドニー)心理学部で研究活動を行っている。Macquarie大学では、対人同期の生起メカニズムを調査するという目的のもと、バーチャルリアリティ(VR)を用いた対人運動協調研究を行っている。これまでに、VR環境下で身体同期が発生するかを明らかにするため、ヒトとアバターの非意図的な身体相互作用課題を行った。現在は、得られた身体の時系列データに対して非線形力学系解析(トレンド除去相互相関解析や交差再帰定量化解析など)を行い、ヒトとアバター間の身体同期の定量化に取り組んでいる。 これまでに、研究成果を学会で発表している。うち一件の発表に対して学会賞を受賞した。また研究成果の一部を学術論文にまとめ、受理・出版されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究遂行に伴う研究実施計画の一部変更や、新型コロナウイルスの感染拡大による研究計画の変更が生じたものの、研究計画を再考し感染リスクの低い実験を実施するなどの対策を行った。また、国際・国内学会等での発表や論文執筆など、複数の研究成果を出していることも考慮し、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当該年度に生じた研究計画の変更に従い、入念な準備のうえで、対人魅力が対人協調の「相性」に及ぼす影響とその神経基盤の解明を明らかにするための研究を進め、研究の完成を目指す。また、得られた研究成果について、国内外の学会・シンポジウム等で発表し、論文にまとめ学術雑誌への投稿する予定である。
|