2021 Fiscal Year Annual Research Report
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21J01731
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 麻衣子 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2025-03-31
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Keywords | ジェンダーステレオタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
SOGIを確立するまでには,自身の性的指向・性自認・社会的性役割・身体の性の受容が必須である 。本研究では,SOGIの受容のプロセスを子どもから大人に対し横断的調査を行い,発達過程を調べる。SOGIの受容は,社会的性役割と自身の心の間で葛藤し,その葛藤に本人も気がついていない場合があるため意識・無意識の両面から検討する必要がある。本研究では,質問紙を使った意識的な態度 (実験1),心理実験による無意識的態度 (実験2・3)の比較により,個人のバイアスの強さを明らかにし,SOGIの受容過程で生じる,心理的葛藤の原因に迫る。これにより,SOGIの認知発達プロセスが可視化され,個人の発達課題や認知特性に合わせたトレーニングプログラムの作成に繋がると考えている。 本年度は,主に実験1と実験2に注力し,就学年齢の子どもとその保護者を対象としてジェンダーステレオタイプに関するデータ収集を実施した。親子のデータの類似性を検討することで,世代間伝播に関して検討を行っている。また,SOGIの受容プロセスに関して発達モデルを作成するためには多くのデータが必要なため,引き続きデータ収集を続ける。 また,SOGIを確立したと考えられる大学生に対する実験を行ったところ,無意識的なジェンダーバイアスはほとんど認められないことがわかった。しかしながら,実験参加者から社会生活を送る上でのジェンダーバイアスを感じる場面が多々あるとの報告が上がっており,自身の価値観と社会状況の狭間の中での葛藤が見られ,より詳細な検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子どもに対するデータ収集は,保護者からの同意,子ども本人への説明など対面で丁寧に研究の説明をする必要があるにも関わらず,緊急事態宣言やまん延防止等重点措置では実験やイベントが制限され予定していたデータ収集が中止となった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,安全に配慮した上で子どもを対象とした実験イベントを精力的に実施しデータ収集に努める。また,成人の実験をオンラインに移植し,新型コロナウイルスに関わる様々な研究活動の遅延に対応する。
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