2022 Fiscal Year Annual Research Report
職場におけるピア効果の分析―人事データと健康データを組み合わせた研究―
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22J12445
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川太 悠史 早稲田大学, 政治経済学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | ピア効果 / 人事経済学 / 健康経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実在する企業の人事データ・健康データを用いて、「同じ職場の社員の間で、特定のアウトカムにおけるピア効果がどれほど生じているか」を明らかにすることを目的としている。 2022年度は、人事情報データ、福利厚生カフェテリアプランの利用履歴、健康データの3種類のデータを整理し、パネルデータを作成した。その上で、社員の属性に着目し、福利厚生カフェテリアプランの利用に関する記述的分析を実施した。 本研究では「福利厚生カフェテリアプランを利用しているか」、また「どれだけ利用しているか」という変数に着目し、職場の同僚の間でピア効果が生じているかを明らかにする。このようなピア効果を検討する前に、2022年度は「個人の属性」と「福利厚生カフェテリアプランの利用」との間の関係を分析し、「福利厚生カフェテリアプランの利用」が少ない社員の特徴を明らかにした。加えて、「福利厚生カフェテリアプランを利用したタイミング」にも着目し、リサーチクエスチョンを発展させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のとおり、1年目にあたる2022年度では、データの整理を行い、福利厚生カフェテリアプランの利用に関する記述的分析を実施した。上記に加え、2022年度では、職場におけるピア効果を明らかにする実証研究の整理を行った。これらを踏まえ、2023年度にはピア効果の検証を本格化させていく。
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Strategy for Future Research Activity |
以下2点を実施し、2023年度中の査読誌投稿を目指す。 1. ピア効果の推定:同僚および上司の異動に着目し、職場の仲間の変動を利用して、福利厚生カフェテリアプランの利用に関する行動や、それ以外の特定のアウトカムへの影響を分析する。 2. 職場への介入実験の実施:職場レベルでのコミュニケーションの介入実験を行い、ピア効果が増大させられるかを明らかにする。
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