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2023 Fiscal Year Research-status Report

Construction of High-Precision Performance Model on Engine for Hypersonic Aircraft

Research Project

Project/Area Number 22KJ2954
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

藤井 愛実  早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2025-03-31
Keywords超音速・極超音速インテーク / バズ / 衝撃波 / モデル構築
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,少ないCFD解析結果から超音速/極超音速エンジンの空気取り込み口(インテーク)の性能を予測する,インテーク性能評価モデルを構築することを目的としている.本年度はバズと呼ばれる衝撃波の自励振動現象に着目した.
インテークの背圧上昇はエンジンの推力向上をもたらすが,過度にインテーク背圧を上昇させるとバズが発生することが知られている.バズはエンジン内部に激しい圧力振動を発生させるため,バズが発生するとエンジン/機体の破損を招く恐れがある.そのため,安全な極超音速エンジンの実現のためには,破損防止のため,バズの周波数や静圧波形を把握したうえでエンジンを設計することが重要である.そこで今年度は,バズ1周期のうち特に静圧上昇期間に着目して,非定常CFD解析を必要としないバズの静圧波形予測モデルの構築に取り組んだ.
まず,昨年度行った研究の結果を踏まえ,静圧上昇期間の前半に対して移動衝撃波の支配方程式,後半に対して質量保存則を実際に適用し,インテーク背圧の時間変化を推算した.その結果,CFD解析結果と静圧波形が良く一致したことから,これら2つの理論を適用することで,①静圧上昇期間における,物理メカニズムに基づく静圧波形予測モデルを構築できた.
続いて,本モデルへの入力値のモデル化に取り組んだ.具体的には,②エネルギー保存則をインテーク全体へ適用することによる,インテーク内部の平均静温の時間変化の予測モデル,および,③定常作動状態における最大静圧分布から,静圧上昇期間の最大静圧分布を予測するモデルの2つを構築し,CFD解析結果との比較により妥当性と汎用性を確認した.
これらの成果を,国際学会1回および国内学会3回において報告した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題により,バズ1周期のうち特に静圧上昇期間では,その前半と後半で,移動衝撃波の支配方程式と質量保存則という異なるメカニズムによりインテーク背圧波形が決定されていることが示唆された.そこで,これら2つの理論を実際に適用し,静圧上昇期間の背圧波形を予測するモデルを構築したところ,モデル出力の背圧波形がCFD解析結果とよく一致した.そのため,現象がこれら2つのメカニズムによって支配されていることを証明できた.
さらに,本モデルへ入力として与える必要のある,インテーク内部の平均静温の時間変化の予測手法も検討した.その結果,インテーク内部の運動エネルギーは内部エネルギーと比較して十分に小さく,エネルギー保存則をインテーク全体へ適用することによりインテーク内部の平均静温の時間変化を予測できることを明らかにし,平均静温予測モデルを構築した.
また,静圧上昇期間における最大静圧分布の予測モデルの構築も行った.本項目では,静圧上昇期間におけるインテーク内部の物理量の分布を定常作動状態と比較し,現象の非定常性が及ぼす影響を調査した.その結果,密度分布および全温分布には現象の非定常性の影響が強く出る一方で,静圧上昇期間後半の静圧分布は定常作動状態とおおむね一致することが分かった.そこでこの特性を利用することで,静圧上昇期間における最大静圧分布を,定常作動状態における最大静圧分布から予測する手法を構築し,妥当性を確認した.
以上の内容から,達成度はおおむね順調に進展しているとした.

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究により,バズ1周期のうち静圧上昇期間は,前半と後半で衝撃波の移動メカニズムが異なることを明らかにした.そこで最終年度はまず,メカニズムの変化が生じる要因を検討する.具体的には,定常作動状態における背圧変化に伴う衝撃波の移動と,静圧上昇期間における時間変化に伴う衝撃波の移動を比較する.これにより,メカニズム変化の要因を明確にし,本研究で構築している,2つの現象メカニズムに基づいた静圧波形予測モデルの適用範囲を示す.
さらに,本研究の結果,静圧上昇期間後半の静圧分布は定常作動状態と概ね一致する一方で,全温分布および密度分布は,現象の非定常性の影響により定常作動状態と一致しないことが明らかになっている.そこで最終年度では,静圧上昇期間後半の密度分布に対して現象の非定常性が与える影響を,インテーク内部の流量バランスと流速の観点から考察を行う.これにより,静圧上昇期間後半における密度分布の変化のメカニズムを明らかにする.
さらに,静圧低下期間に関するモデル化手法を検討する.具体的には,先行研究で提案されているヘルムホルツの共鳴器の周波数モデルの適用や,インテークスロート/ノズルスロートにおけるチョーク流量を利用した流量バランスによるモデル化を試みる.
以上により,バズのメカニズム解明を進めるとともに,少ないCFD解析結果からバズの周波数や静圧波形を再現できるバズモデルを構築する.
本課題で得られた成果を論文や学会にて発表するとともに,博士学位論文にまとめる.

Causes of Carryover

2023年度末に査読論文を発表する予定だったが,論文の査読対応に遅れが生じ,2023年度中の発表に至らなかった.そのため,論文投稿費として計上することを予定していた7万円程度が次年度使用となった.
2024年度は,物品費を15万円程度支出し,研究期間内に実施したすべてのシミュレーションデータを保存するためのデバイス等を購入する.また,国内学会1回,国際学会1回で発表を行うため,旅費として50万円程度支出する.さらに,2023年度に発表できなかった査読論文も含めて,査読論文を2本発表/投稿する.そのための投稿費および英文校正費等として, 2023年度からの繰り越し分も合わせて22万円程度を支出する.

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Experimental Investigation on the Effect of the Intake Contraction Ratio on the Buzz Characteristics in the Ramjet Engine for High-Mach Integrated Control Experiment (HIMICO)2023

    • Author(s)
      Manami Fujii, Yuki Fujimori, Yusuke Hoshiya, Yuki Kuwabara, Rintaro Tanaka, Tetsuya Sato, Hidemi Takahashi, and Hideyuki Taguchi
    • Journal Title

      Journal of Evolving Space Activities (JESA)

      Volume: 1 Pages: -

    • DOI

      10.57350/jesa.81

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] ラムジェットインテークに対するエネルギー保存則適用によるバズの静温変化のモデル化と考察2024

    • Author(s)
      藤井愛実,佐藤哲也,田口秀之,橋本敦
    • Organizer
      第63回航空原動機・宇宙推進講演会
  • [Presentation] 超音速インテークの定常作動時及びバズ発生時の流れ場の比較と最大静圧の推算2024

    • Author(s)
      藤井愛実,佐藤哲也,橋本敦,田口秀之
    • Organizer
      2023年度衝撃波シンポジウム
  • [Presentation] インテークスロート開度がバズ特性に与える影響に関する衝撃波移動メカニズムに基づいた考察2024

    • Author(s)
      藤井愛実,桒原宥希,田中凜太郎,鈴木歩都,有吉志満,成田知史,髙松俊介,佐藤哲也,田口秀之
    • Organizer
      令和5年度 宇宙輸送シンポジウム
  • [Presentation] Pressure Model of Buzz Oscillation in a Ramjet Intake2023

    • Author(s)
      Manami Fujii, Tetsuya Sato, Atsushi Hashimoto, and Hideyuki Taguchi
    • Organizer
      Aerospace Europe Conference 2023, Joint 10th EUCASS - 9th CEAS Conference
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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