2022 Fiscal Year Annual Research Report
神経学的要因に着目した高齢者の低強度トレーニング方法の開発
Project/Area Number |
21J00674
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
廣野 哲也 中京大学, スポーツ科学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 高密度表面筋電図 / 運動単位 / 低強度筋力トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者は筋萎縮のみならず神経学的要因も変化が生じ,身体機能の低下を招き,特に低強度での筋力制御能力が低下している.そこで新たに低強度トレーニング法が神経学的要因に及ぼす影響の科学的根拠を築くことは重要である.神経学的要因はトレーニング初期段階で変化が生じること,筋力制御が運動機能に重要であることから,リハビリテーションでは神経学的要因へのアプローチは重要である.そこで本研究課題の目的は,低強度トレーニングによる特異的な神経筋機能変化を明らかにし,その変化が高齢者の運動機能改善や維持に貢献できるかについて明らかにすることである. 神経学的要因を定量化するために,高密度表面筋電図とデコンポジション法を用いることで,個々の運動単位の動態を評価することが可能である.この手法を用いて,地域在住高齢者の自宅での4ヶ月間の自重スクワットトレーニングが神経筋機能に及ぼす影響を調査した.その結果,筋力や筋量に変化は認められなかったが,運動単位の活動に変化が生じ,低強度運動であっても神経学的な変化が生じていることを明らかにした.また別の研究において,運動様式による神経活動の違いや,筋量を減少させた条件では神経活動が補填的に向上することも明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域在住高齢者を対象とした4ヶ月間の自重負荷トレーニングの計測を実施することができ,その成果を査読付きの国際誌に受理された.さらに運動様式が運動単位活動に及ぼす影響や筋量減少が運動単位活動に及ぼす影響についても査読付き国際誌に受理されている.引き続き,高齢者の運動機能と運動単位活動との関連についての研究が進行中である.
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者の運動機能と運動単位活動との関連について調査を進め,さらなるトレーニング方法の開発へと発展する予定である.
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