2023 Fiscal Year Annual Research Report
フッ化硫化物系アニオン制御の基礎学理構築と固体電解質材料群の開拓
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22KJ3013
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
橘 慎太朗 立命館大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | フッ化硫化物 / 複合アニオン化合物 / フッ化物イオン伝導体 / 固体電解質 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、フッ化硫化物La2+xSr1-xF4+xS2のフッ化物イオン伝導メカニズムを明らかにするとともに、未知フッ化硫化物の探索を行い、新奇な結晶構造を有するフッ化硫化物La2.7Ba6.3F8.7S6がフッ化物イオン伝導体であることを明らかにした。既知相(La2+xSr1-xF4+xS2)と未知相(La2.7Ba6.3F8.7S6)を用いたフッ化硫化物を用いた、フッ化物イオン伝導体の材料設計手法について確立することが出来た。 フッ化物イオン伝導性を明らかにしていたLa2+xSr1-xF4+xS2は、中性子回折およびNMR解析を組み合わせることで、結晶構造中のフッ化物イオンサイトを詳細に精密化することで、フッ化物イオン伝導性向上の支配因子を明らかにした。 未知相La2.7Ba6.3F8.7S6は、BaS-LaF3-BaF2擬三元系相図に対して、固相法を用いた探索を行うことでLa2.7Ba6.3F8.7S6の単相を得ることに成功した。得られた化合物は、元素分析法(ICP発光分光分析法、赤外線吸収法、イオンクロマトグラフィー)、X線回折、中性子回折を用いることで結晶構造解明をすることが出来た。また、La2.7Ba6.3F8.7S6のLaに対してCaを置換したLa2.7-xBa6.3CaxF8.7-xS6 (0 ≦ x ≦ 0.54)は複合アニオン化合物において室温近傍で最大のフッ化物イオン伝導率を有することを明らかにした。 本研究で実施した「フッ化硫化物を用いたフッ化物イオン伝導体の材料研究」は、新規な結晶構造を創出することができ、材料研究の領域が単一アニオン化合物に限られていたフッ化物イオン伝導体に対して新たな道筋を提供することができる。
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[Journal Article] Fluorosulfide La2+xSr1-xF4+xS2 with a Triple-Fluorite Layer Enabling Interstitial Fluoride-Ion Conduction2023
Author(s)
Tachibana Shintaro, Zhong Chengchao, Ide Kazuto, Yamasaki Hisatsugu, Tojigamori Takeshi, Miki Hidenori, Saito Takashi, Kamiyama Takashi, Shimoda Keiji, Orikasa Yuki
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Journal Title
Chemistry of Materials
Volume: 35
Pages: 4235, 4242
DOI
Peer Reviewed / Open Access