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2023 Fiscal Year Annual Research Report

児童養護施設の構造的変容と日常生活への影響の解明

Research Project

Project/Area Number 22KJ3046
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

三品 拓人  関西大学, 社会学研究科, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2024-03-31
Keywords児童養護施設 / エスノグラフィ / 子どもの社会化 / 実践 / 不登校 / 当事者
Outline of Annual Research Achievements

最終年度の研究成果として、大きくは以下の3点が成果として挙げられる。1点目に、児童養護施設の生活について従来から取り組んでいた「実践」という視角から再検討した。児童養護施設の実践はいわゆる「家族」と比してどのような点で共通しているのかを考察した。関西社会学会にて大会報告を行った。2点目に、児童養護施設における不登校研究に着手した。はじめに現場の状況について情報収集した。職員に予備的に聞き取り、中学生や高校生が暮らす現場の様子を確認した。子どもの学校に行かない(行けない)ことの理由やその過程は多様でありながら、他方で他者からの影響が大きいことが把握できた。さらには、児童養護施設職員の登校規範と施設状況の葛藤、施設外の教育資源が検討されにくいことなどが浮かび上がった。教育社会学会の若手研究者の交流会において報告を行った。3点目に、児童養護施設退所者を対象とした研究への新たな進展があった。児童養護施設を退所したばかりの当事者と交流を続けて、どのような生活を送っているのかを知る過程で人間関係との相互作用や「家族」とつながらざる/切らざるを得ない状況があることが認識できた。データからは「親」に頼ることが出来ない中で「きょうだい」と関係が続いていたり、施設入所することにより「きょうだい」とは大きく異なった生活経験を持つことが見逃されがちであったことに着目した。2024年の家族社会学会で報告予定である。
研究期間全体を通じては、児童養護施設現場における構造的な変容と子どもをめぐるを問題を明らかにした。小規模化した施設の生活状況や自立支援(アフターケア)への力点の変化、施設内でのインターネット利用環境の定着とその影響、支援の個別化と合理化などが挙げられる。これらを元に、児童養護施設に入所した子どもをめぐって結局のところ「何が問題になっているのか」を現在も考究している。

  • Research Products

    (7 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) Presentation (3 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 「児童養護施設で育つ-日常生活と子どもの社会化」2024

    • Author(s)
      三品 拓人
    • Journal Title

      『現代思想』

      Volume: 2024年4月号 Pages: 87-96

  • [Journal Article] 発表論考「児童養護施設における不登校をめぐる葛藤――予備調査から」2024

    • Author(s)
      三品拓人
    • Journal Title

      『Advancement of Higher Education Research: RIHE Monograph Series』

      Volume: 13 Pages: 69-70

  • [Presentation] 児童養護施設における不登校をめぐる葛藤―予備調査から2024

    • Author(s)
      三品拓人
    • Organizer
      日本教育社会学会若手研究者交流会
  • [Presentation] 児童養護施設入所経験と「きょうだい」関係2024

    • Author(s)
      三品拓人
    • Organizer
      第34回日本家族社会学会大会
  • [Presentation] 児童養護施設における養育と家族実践 ―「家族すること」の再検討2023

    • Author(s)
      三品拓人
    • Organizer
      第74回関西社会学会大会
  • [Book] 児童養護施設のエスノグラフィー: 「実践」からみる子ども生活の社会学2023

    • Author(s)
      三品拓人
    • Total Pages
      208
    • Publisher
      勁草書房
    • ISBN
      4326603658
  • [Book] 「児童養護施設が「家庭的」であること――中規模施設と地域小規模施設の比較から」土屋敦、藤間公太編『社会的養護の社会学――家庭と施設の間にたたずむ子どもたち』2023

    • Author(s)
      三品拓人
    • Total Pages
      236
    • Publisher
      青弓社
    • ISBN
      4787235249

URL: 

Published: 2024-12-25  

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