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2023 Fiscal Year Research-status Report

推量・推定の助動詞を中心とする古代日本語助動詞の意味研究

Research Project

Project/Area Number 22KJ3048
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

古川 大悟  九州大学, 人文科学研究院, 講師

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2025-03-31
Keywords推量・推定の助動詞 / 意味的体系性 / ラム / ラシ / ケラシ / ムの連体用法
Outline of Annual Research Achievements

古代日本語における推量・推定の助動詞について、前年度には主にム・マシ・ベシの意味的関係を論じ、成果を公表したが、今年度はそれに加えてラム・ラシ・ケラシの意味的特質を明らかにし、ケム・ケリなどとの関係も論じるに至った。ラシとベシとの意味的対立のありかた、ラムとラシが近接することの原理、ラシとケリが近接することの原理を指摘した点などが、とくに重要な成果である。そのうえで、古代語の推量・推定の助動詞全体について、その意味的体系性のありかたを一つの図として提示することに成功した(萬葉学会全国大会にて発表、論文は近刊予定)。こうした研究と並行して、前年度に積み残したムの連体用法の意味のしくみを明らかにし、また、推量・推定の助動詞を論じるうえでいかなる学問的態度をとるべきかという問題についても、論考を執筆した。研究計画に示していた、ベシと漢文訓読の関係については、現在研究を進めているが、いまだ成果を公表するには至っていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね当初の研究計画に基づいて、順調に成果を公表することができている。ただし、当初の研究計画に加えて、意味を研究するうえでの学問的立場を明らかにする必要から、推量・推定の助動詞の意味を研究するとはどういうことかという問題について、暫定的な解答を公表することになった。これにより、当初予定していたベシと漢文訓読の関係に関する分析は、おおむね順調に進んでいるものの、今年度中に成果を公表するには至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

第一に、今年度のうちに進めた研究の中で、いまだ論文化がかなっていないものを投稿し、公表する予定である。ムの連体用法の意味について、さらには、古代語において原因・理由を推量する場合にベシが現れないことについては、すでに原稿の用意を進めており、次年度の早い段階で投稿にこぎつける予定である。第二に、当初の研究計画にのっとり、助動詞ベシの意味と漢文訓読・変体漢文との相関について、文献上の多様な用例から引き続き分析・検討を進める。膨大な量の用例読解に時間がかかることが予想されるが、何らかの成果が得られ次第、学会発表あるいは論文化を行う予定である。

Causes of Carryover

物品(図書)を注文しようとしたが、年度内に納品が間に合わず、3,498円が次年度使用額となった。物品(図書)購入のために使用する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 言語で言語を語るということー古代語助動詞研究をめぐる覚書ー2024

    • Author(s)
      古川大悟
    • Journal Title

      国文学

      Volume: 108 Pages: 左45-左65

  • [Journal Article] 推量の助動詞の意味的体系性についてー萬葉集の用例解釈からー2024

    • Author(s)
      古川大悟
    • Journal Title

      萬葉

      Volume: 237 Pages: ー

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 萬葉集のラシーベシとの関係をふまえて2023

    • Author(s)
      古川大悟
    • Journal Title

      国語国文

      Volume: 92・10 Pages: 1-21

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 古代日本語における推量の助動詞ー原因理由句が推量の対象となる場合ー2024

    • Author(s)
      古川大悟
    • Organizer
      第298回筑紫日本語研究会
  • [Presentation] 古代語ムの連体用法をどう考えるかー語彙論と文法論のあいだー2023

    • Author(s)
      古川大悟
    • Organizer
      第132回国語語彙史研究会
  • [Presentation] 古代日本語における「推量」の意味体系ー萬葉集の用例分析を通じてー2023

    • Author(s)
      古川大悟
    • Organizer
      第76回萬葉学会全国大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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