2021 Fiscal Year Annual Research Report
18-19世紀漢語・欧米諸語資料とスールー海域の現地語資料の比較
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21J01687
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
三王 昌代 公益財団法人東洋文庫, 公益財団法人東洋文庫, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 海域アジア史 / 異文化接触 / 世界史 / 地域文化研究 / 比較文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,欧米諸語や漢語で記された資料とアラビア文字で表記された東南アジア諸言語資料を比較することで,海域アジア諸地域の相互交渉を明らかにしようとしている。漢語圏とその他の言語圏のあいだの文書の翻訳を行うために中国で作成された『華夷譯語』と呼ばれる対訳語彙集もその対象の一つであり,2021年度には,東京大学駒場図書館を通じて,フィリピン諸島や中国大陸南部の言葉の辞書類および関連資料を国内外の図書館・研究機関から取り寄せた。しかし,著作権上の問題などから資料には複写制限があるため,また実際には簡単には取り寄せられない東南アジア諸語で記された資料などがあるたため,蒐集できなかったものもある。ゆえに一時は現地に赴くことも考えていたが,新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりの影響を受け,それは叶わなかった。現在は手許にある資料を駆使して分析をすすめている。また,これまでの研究において18世紀の漢語資料と1784年付けのマレー語をアラビア文字で表記した文書(=ジャウィ文書)とを比較していたが,同文書の形式や文言の特徴などを加筆し,その研究成果を纏めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り,諸資料を蒐集し,研究成果の一部を纏め,発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに蒐集している資料を手掛かりに,フィリピン南部や中国南部の言葉に着目しながら『華夷譯語』の分析をすすめる。
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