2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating effects of inbreeding avoidance on population dynamics using long-term study of a wild population
Project/Area Number |
21J00958
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Research Fellow |
澤田 明 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 近親交配 / 個体群動態 / 絶滅 / 個体群 / 一塩基多型 / ゲノム / 島 / リュウキュウコノハズク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は1)近親交配回避が複数の形質を介して個体群動態にもたらす影響を解明すること、2)その影響の個体群間での違いと、その影響の原因遺伝子をゲノム情報から解明することである。すでに近親交配を避けるつがい形成を行っていることが示唆されているリュウキュウコノハズクを研究材料に用いた。研究課題を通して本種の3つの島の個体群(南大東島、波照間島、沖縄島)について繁殖モニタリングや標識再捕獲などの野外調査、およびゲノム上の一塩基多型(SNP)の抽出などのゲノム解析を中心に行う計画である。 野外調査に関しては、2022年度は2021年度からの継続として同様の調査を実施した。南大東島、波照間島、沖縄島のそれぞれで多数の個体から繁殖成績、体サイズ、鳴き声、生存状況などの情報が取得され、ゲノム解析で用いるための血液サンプルも取得した。波照間島については昨年度に設置した巣箱の複数が繁殖に利用され、繁殖モニタリングの基盤形成に成功した。 ゲノム解析に関しては、2022年度は2021年度に作成したレファレンスゲノムの品質を向上するためにさらに1個体の全ゲノム解読を行った。2021年度と2022年度は異なる手法でゲノム情報を解読しており(前者はIllumina社、後者はOxford Nanopore Technologies社の手法)、それらの統合でより高品質なレファレンスゲノムを取得した。このレファレンスゲノムに対して個体の配列データをマッピングすることでSNP情報を取得した。繁殖調査の結果をもとに、特に生存率の高い子を残したつがいと、特に生存率の低い子を残したつがいのゲノムを比較し、それぞれに特有のSNPを抽出した。それらのSNPを含むゲノム領域にある遺伝子をニワトリのゲノムをもとに推定した結果、免疫機能や羽毛の形成に関わる遺伝子の関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野外調査については当初の計画通り進んだものの、ゲノム解析についてはゲノム解読の受託解析サービスの進捗が遅れたため後続の解析が進まず、おおむね順調な進展となった。
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Strategy for Future Research Activity |
野外調査については計画通りに進める。南大東島、波照間島、沖縄島についてリュウキュウコノハズクの基礎生態調査を継続し、繁殖成功、形態、鳴き声などの基礎データの収集および血液サンプルの採取を実施する。ゲノム解析についてはさらに波照間島、沖縄島の個体を含む複数の個体に対して追加で全ゲノム解読を行い、ゲノム情報を踏まえて個体群ごとの近親交配の程度や個体群動態の違いを解析および議論をする。
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[Presentation] ワイブル分布を用いた回帰分析による リュウキュウコノハズクの分散カーネ ルの推定2022
Author(s)
澤田明, 岩崎哲也, 井上千歳, 中岡香奈, 中西啄実, 澤田純平, 麻生成美, 永井秀弥, 小野遥, 村上凌太, 高木昌興
Organizer
日本鳥学会
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