2022 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスによる湖沼環境の制御~難分解性有機物とウイルス種組成に着目して~
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22J01607
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
沈 尚 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 琵琶湖 / 細菌 / ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
琵琶湖北湖の4水深(5, 水温躍層, 60, 85 m)において、毎月採水を実施した。分析項目は細菌生産量、細菌群集およびウイルス群集である。孔径1.2 umのフィルターを通過する細菌を浮遊細菌、捕集される細菌を付着細菌と定義した。採水した試料に15N-dAを添加し、その取り込み量から細菌生産量を推定した。このとき未ろ過試料と孔径1.2マイクロメートルのフィルターでろ過した試料を用意することで、浮遊細菌および付着細菌の細菌生産量を推定する。これらの細菌 細菌群集解析も細菌生産量の推定と同様に浮遊細菌と付着細菌を定義し、それぞれの画分の細菌細胞を濃縮し、DNA抽出まで行った。ウイルス群集解析については、孔径1.2マイクロメートルのフィルターでろ過した試料中に含まれるウイルスを対象として、鉄共沈法および塩化セシウム超遠心密度勾配法を用いて濃縮・精製した。ウイルス群集解析についてもDNA抽出まで完了した。 Sphingomonadaceae科(Alphaproteobacteria)の細菌を3種単離した。またこれに感染するウイルスも2種単離することが出来た。 これらのウイルスには感染中に宿主の代謝を促進させる遺伝子がコードされていた。 溶菌由来有機物の調製:大腸菌および大腸菌ファージをモデルとして、ウイルスによる溶菌由来有機物の調製を試みた。大腸菌の培養では、培地由来の有機物を極力除去するために、無機塩培地を用いた。有機基質としてグルコースを採用した。また大腸菌バイオマスを得るための培養条件を初期グルコース濃度や温度、 培養時間などを変えて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、琵琶湖調査を実施することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたDNAについて、細菌生産量、細菌群集、ウイルス群集解析を実施する。また引き続き琵琶湖調査も実施する。
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Research Products
(1 results)