• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

質量階層性と強い相互作用のCP問題の包括的研究

Research Project

Project/Area Number 22KJ3124
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionHigh Energy Accelerator Research Organization

Principal Investigator

鈴木 資生  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2025-03-31
Keywords強い相互作用のCP問題 / 質量階層性問題 / 一般化された対称性 / 暗黒物質
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は強い相互作用のCP問題と質量階層性問題を解決する模型の探求、提案とその検証可能性を明らかにすることである。

高エネルギー加速器研究機構における共同研究では、インフレーション期におけるモジュライの安定化メカニズムと量子色力学(QCD)の関連性を検証し、アクシオン暗黒物質の新たな可能性を提案した。QCDアクシオンがストリングスケールの崩壊定数を持ちながら、冷たい暗黒物質の候補として機能しうること、そしてアクシオンとモジュライ場の相互作用により等曲率揺らぎの問題を回避できる可能性を究明した。また、さらなる研究として、アクシオンミニクラスターやアクシオン星の形成が示唆され、より詳細な検証可能性の探求も視野に入れている。

ハーバード大学の研究者との共同研究では、(-1)-形式U(1)対称性の自発的破れとその明示的破れを探究し、これらと強い相互作用のCP問題との関連性を示した。この研究では、特に1+1次元のQCDに似た模型および3+1次元のYang-Mills理論やQCDにおいて、(-1)-形式U(1)対称性の自発的破れを研究し、そのオーダーパラメターを明らかにした。我々のアプローチは、強い相互作用のCP問題を解くアクシオン模型などの既存理論をこの対称性を通じて統一的に理解する枠組みを提案し、さらに(-1)-形式U(1)対称性の明示的破れが新たな解決策へとつながる可能性があることを示唆した。このような視点は、CP問題だけでなく、質量階層性問題など他の物理学の課題に対しても新しい解決の道を開く可能性がある。。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

革新的なアイデアとアプローチ:
研究では、アクシオン暗黒物質や(-1)-形式U(1)対称性の自発的および明示的破れなど、先進的で新しいアイデアを探求しています。これにより、強い相互作用のCP問題や質量階層性問題など、長年にわたり解決が困難であった物理学の基本問題に対して新たな視角を提供しています。
実験的および理論的な検証可能性:
研究は、アクシオンミニクラスターやアクシオン星の形成の可能性など、実験的観測によって検証可能な予測を提供しています。このような検証可能な予測は、理論の妥当性を試す上で重要であり、科学的な進展を促進します。
継続的な課題の探求:
現在、モノポールと(-1)-形式U(1)対称性に関する研究やSU(5)大統一理論における対称性の扱いなど、新たな課題にも積極的に取り組んでいます。これにより、理論の更なる精密化が進み、未解決の問題に対するさらなる理解が期待されます。

Strategy for Future Research Activity

(-1)-形式U(1)対称性の理論的枠組みの強化:現在の(-1)-形式対称性とその自発的破れの定義をSymTFTアプローチなどを用いて、他のp形式対称性と同等の理論的基盤に置くことが重要です。まずは連続的な大域的対称性でのSymTFTを確立させ、その次に(-1)-formへの応用を試みる。また、(-1)-形式R対称性が量子場理論において有用かどうかの理解を深める。
(-1)-形式対称性の明示的破れの研究拡張:既に文献で広く取り上げられているゲージ化に加えて、モノポールによる(-1)-形式対称性の明示的破れに焦点を当てた研究を進めること。特に、U(1)ゲージ理論以外のより一般的なゲージ群や大統一理論におけるケースを研究する。
ゴールドストーン定理の適用可能性:(-1)-形式U(1)対称性が自発的に破れた場合のNambu-Goldstone場の存在を確認していますが、通常のゴールドストーン定理に従う定理の明確な証明が困難であるため、(-1)-形式対称性のより良い理解を通じてこれらの障壁を克服することが望まれます。
アクシオン様場の研究と自然性問題への応用:階層問題やインフレーションにおけるアクシオン様場の役割を更に詳細に調査し、これらのモデルでの(-1)-形式対称性の自発的対称性破れとモノドロミーとの相互作用について理解を深める。

Causes of Carryover

出張費が先方負担の期間があり払い戻しなどしたため。
7月末までハーバード大学に滞在する滞在費として使用する計画。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Spontaneously Broken (-1)-Form U(1) Symmetries2024

    • Author(s)
      Daniel Aloni, Eduardo Garcia-Valdecasas, Matthew Reece, Motoo Suzuki
    • Journal Title

      arXiv:2402.00117

      Volume: - Pages: -

  • [Journal Article] Multi-brane cosmology2023

    • Author(s)
      Girmohanta Sudhakantha、Lee Seung J.、Nakai Yuichiro、Suzuki Motoo
    • Journal Title

      Journal of High Energy Physics

      Volume: 2023 Pages: -

    • DOI

      10.1007/JHEP07(2023)182

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] NANOGrav signal from a dark conformal phase transition2023

    • Author(s)
      Fujikura Kohei、Girmohanta Sudhakantha、Nakai Yuichiro、Suzuki Motoo
    • Journal Title

      Physics Letters B

      Volume: 846 Pages: 138203~138203

    • DOI

      10.1016/j.physletb.2023.138203

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Role of QCD in moduli stabilization during inflation and axion dark matter2023

    • Author(s)
      Kitano Ryuichiro、Suzuki Motoo、Yin Wen
    • Journal Title

      Journal of High Energy Physics

      Volume: 2023 Pages: -

    • DOI

      10.1007/JHEP11(2023)103

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] A natural model of spontaneous CP violation2023

    • Author(s)
      Motoo Suzuki
    • Organizer
      Phenomenology 2023 Symposium

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi