2022 Fiscal Year Annual Research Report
精巣・腎臓の臓器間間質細胞移植 ~精巣は慢性腎臓病を救えるか~
Project/Area Number |
22J00888
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
内田 あや 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 精巣 / 精巣網 / セルトリバルブ / マウス / 腎臓 / 精子発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では精巣・腎臓間での間質細胞交換を通して腎機能のレスキューを狙うとともに、これらの臓器におけるホメオスタシス制御機構、および細胞運命決定機構の解明に取り組むものである。本年度は当初の予定どおり(1) 精巣・腎臓間での間質細胞交換移植実験系の立ち上げに取り組む傍ら、(2)「液体の流れ」を介した精巣内ホメオスタシス制御機構の解明に迫った。
(1)精巣・腎臓間での間質細胞交換移植:腎臓と精巣は共に中間中胚葉から発生し、共通して管構造と間質からなる組織学的特徴を持つことに加え、両者のシグナル因子を介した器官発生および細胞制御機構には共通項が多い。本研究では精巣・腎臓間の共通性に着目し、これら臓器間の間質細胞の互換性・過疎性を解析すべく、両臓器間での間質細胞移植を試みた。本年度は間質細胞の移植実験系の確立に取り組む一方で、シングルセル RNAシーケンス(scRNAseq)解析により一細胞レベルでの精巣間質細胞の性状解析を行い、ユニークな性質を持つ少数の新規間質細胞集団の同定へと至った。
(2)液体の流れを介した精巣内ホメオスタシス制御機構:ほ乳類の精巣で作られた精子は精細管内の管腔液の流れに乗って精巣の外へと運ばれるが、精巣出口部分には精巣網という網目状の構造があり、これに隣接してセルトリバルブと呼ばれる弁構造が存在する。しかしながら、セルトリバルブの機能的役割は分かっていなかった。申請者は精巣網特異的な転写因子Sox17の欠損がこのセルトリバルブ弁の形成不全を引き起こし、これによる管腔液の逆流が精子発生不全による男性不妊に繋がることを明らかにした。これにより、セルトリバルブの逆流防止弁としての機能を世界に先駆けて明らかにした。以上の成果は今年度米国科学誌Nature Communicationsに報告している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] マウス精巣網SOX17を介したセルトリバルブ形成・精子発生制御機構の解明2022
Author(s)
内田あや, 鈴木穂香, 高瀬比菜子, 平手良和, 平松竜司, 宮東昭彦, 秋元義弘, 金井正美, 小倉淳郎, 金井克晃
Organizer
Wakate BRC Conference, 理化学研究所
Invited
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