2022 Fiscal Year Annual Research Report
水分散複合材料の機能発現環中でのスピンコントラスト変調中性子散乱法の開発
Project/Area Number |
22J01125
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三浦 大輔 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 特別研究員(PD) (80968561)
|
Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
|
Keywords | 室温核スピン偏極 / スピンコントラスト / 中性子散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は土壌試料の室温核偏極実現の足がかりに、新偏極源の探索と核偏極度の高偏極化を目的に研究に取り組んだ。これまでの室温核偏極法では偏極できる物資と、偏極源の選択性はほとんどなかった。本研究の最終目的である土壌試料や、室温核偏極中性子散乱法の開発において、対象となる試料は多岐にわたる。そこで、本年は偏極対象となる試料に選択性をもたせることを目的に、新たな偏極源の探索に取り組んだ。偏極源には、レーザー照射で励起された三重項電子の寿命が数百マイクロ秒以上であることが求められる。これは三重項電子スピン偏極を核スピンに十分に移すために必要な時間スケールである。また一般的なレーザー光の波長で三重項電子が生成できること、試料に添加するため、溶媒への溶解度も求められる。様々な試料を電子スピン密度や重原子効果などの観点に着目しすることで、候補となりうる分子骨格とその分子を絞ることができた。それらの分子を赤外線による励起波長や、ESRにより三重項電子生成とその寿命を確認し、条件を満たす物質を見つけることができた。しかしながら、従来の偏極源と比べると三重項電子の寿命が短く、核スピンに偏極を移す効率が悪い。試料の偏極を実現するにはさらなる研究が必要である。 上記と同時に核偏極度の高度化を目的に研究に取り組んだ。こちらの研究では、偏極源は従来と同じ物質を採用した。偏極する物質を格子スピン緩和時間が長い物質とすることで核スピン偏極の高偏極度化が期待される。対象とする物質の候補を見つけたが、試料の精製や試料調製法に取り組んでいる最中である。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|