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2021 Fiscal Year Annual Research Report

栄養シグナルによる経口免疫寛容の制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 21J00985
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionNational Center for Global Health and Medicine

Principal Investigator

永井 基慈  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 肝炎・免疫研究センター 消化器疾患研究部, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2021-04-28 – 2026-03-31
Keywords経口免疫寛容 / 栄養シグナル / 制御性T細胞 / 食事介入
Outline of Annual Research Achievements

本研究目的および本年度研究計画
本研究は、経口免疫寛容の誘導や維持に対する栄養シグナルの重要性とその制御機構を明らかにすることで、食事介入による減感作療法の効果増強および新規アレルギー疾患治療法の開発することを目的としている。これまでに、マウスを用いた経口免疫寛容誘導モデルにおいて、食物抗原経口投与の直前の絶食が、免疫寛容の誘導を消失させ、食物アレルギー病態の悪化を招くことを明らかにしている。そこで、筆者は経口免疫寛容の誘導に重要な抗原特異的な制御性T(Treg)細胞と、CD103陽性樹状細胞に着目し、絶食がこれらの免疫細胞数や機能に与える影響を詳細に解析することを計画した。
本年度研究実績
免疫寛容誘導直前に絶食を施したマウス(絶食群)と、自由摂食を施したマウス(自由摂食群)それぞれの腸間膜リンパ節における免疫細胞数を比較し、絶食は抗原特異的Treg細胞とCD103陽性樹状細胞の両方を減少させることを明らかにした。さらに、CD103陽性樹状細胞がTreg細胞を誘導する際に重要なレチノイン酸産生能力が絶食により減弱することも見出した。絶食がCD103陽性樹状細胞の機能に与える影響をより詳細に明らかにするためにRNA-seqも実施しており、現在取得したデータの解析を進めているところである。また、経口免疫寛容の誘導に重要な食事性因子側の探索を行い、デキストリンと混合必須アミノ酸の両者が必須であることを明らかにした。本年度はさらに、絶食による経口免疫寛容消失がアレルギー疾患制御に与える影響についても評価を進めており、これまでに喘息モデル、アナフィラキシーモデル、アレルギー性鼻炎モデルにおいて、感作前の経口免疫寛容の誘導がこれらの病態を制御すること、絶食がこの経口免疫寛容の効果を消失させることをそれぞれ確認している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでに経口抗原投与直前の絶食が経口免疫寛容の消失をもたらすメカニズムとして、抗原特異的な制御性T細胞の増殖が抑制されること、この制御性T細胞増殖抑制の原因が、CD103陽性樹上細胞の細胞数減少と機能変化によることを明らかにしている。並行して経口免疫寛容の誘導に重要な食事性因子側の探索を行い、すでに重要な栄養因子の同定も行われていることから、近くこれらのデータをまとめ論文を投稿可能な状態にあると言える。
論文投稿前に実施すべき点としては、絶食によるCD103陽性樹状細胞の機能変化の原因の解明が挙げられるが、こちらもすでにRNA-seqを実施しており、今後データの解析を進めることで一定の成果が期待できる。また、絶食による経口免疫寛容の消失の生物学的意義の解析についても、プレリミ実験において有望な結果を既に取得している。
以上から、現在本研究はおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

2021年9月より、学振CPDの主要渡航の開始を予定している。そこで、渡航前までに国内受入研究機関である国立国際医療研究センターにて現在実施している"絶食による経口免疫寛容の消失メカニズムの解明"について、論文化に必要な実験を全て実施し、論文投稿することを予定している。
渡航後は、国外受入研究機関である国立衛生研究所 (NIH)において、当初の計画通り機械的に皮膚創傷を作成するBack-skin punch biopsyモデルを用いて、食事介入が組織修復に与える影響を解析する。渡航初年度は、皮膚組織修復に影響を与える食事介入モデルの確立を目指す。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] “Dietary intervention impacts immune cell functions and dynamics by inducing metabolic rewiring2021

    • Author(s)
      Takuma Okawa, Motoyoshi Nagai, and Koji Hase
    • Journal Title

      Frontiers in Immunology

      Volume: 11 Pages: 623989

    • DOI

      10.3389/fimmu.2020.623989

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] The importance of nutritional signals in regulating oral tolerance2021

    • Author(s)
      NAGAI Motoyoshi, OKAWA Takuma, NAKATA Kazuki, HASE Koji, KAWAMURA I. Yuki
    • Organizer
      第50回日本免疫学会学術集会
  • [Book] 食品免疫学辞典2021

    • Author(s)
      編集  日本食品免疫学会 著者多数
    • Total Pages
      496
    • Publisher
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-43126-1

URL: 

Published: 2022-12-28   Modified: 2023-08-01  

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