2022 Fiscal Year Annual Research Report
水星における磁気圏ー外気圏ー表層カップリングの研究
Project/Area Number |
22J01606
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
相澤 紗絵 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 水星磁気圏 / BepiColombo / 数値計算 / カップリングシステム / プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は特にBepiColombo水星フライバイのデータ解析を中心に行い、また太陽風ー水星磁気圏相互作用を解く数値計算の段階的な開発に着手した。またBepiColomboが2021年に行った第一回水星フライバイは、観測に大きな制約があったものの水星でこれまで達成されなかった低エネルギープラズマ観測をもたらした。機器チームの一員として2022年度はそのデータ解析を主導することができ結果が国際学会等で発表された。本論文は2022年度中にNature Communicationsに論文がサブミットされ、2023年4月に受理された。また第2著者としてGeophysical Research Lettersに論文が掲載されるなど、データ解析研究も多く行なった。数値計算の開発としては外気圏を盛り込んだグローバルハイブリッド計算を行っており、こちらは現在論文をリバイズ中である。ミッションへの貢献という観点でも得られたデータの校正、フライバイ運用やその他プロジェクトに必要なパイプラインの構築を行うなどが出来たと考えている。研究は概ね期待通りに実施できており、このまま第二回目水星フライバイのデータ解析およびイタリアに滞在して得た知見を加えて数値計算開発を推し進めたい。2022年度はさらに研究対象である水星環境におけるカップリングとして、特にアメリカの水星表層を研究する研究者との交流を多く持つことができ、プラズマと表層のカップリングにアプローチすることができた。結果は現在論文をリバイズ中であるが、こういった研究が評価され、AOGS Kamide Lecture Awardを受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ解析と数値計算研究の両輪でもって研究課題を遂行することが本研究の大きなポイントであったが、概ねどちらも同程度に時間を割いて研究することができ、また結果は国際学会での発表や論文投稿により広く周知されているため、本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる。 本テーマである水星カップリングの理解を深めるために自身の専門であるプラズマ物理学のみならず、専門が中性大気や地学系の研究者とも広く議論するようになり、国際関係の中で数値計算研究を発展させてきた点も勘案した。 2022年度中にベースとなって用いている数値計算コード内での数値的エラー等に苦しめられたため、「期待以上」の進展は得られていないが数値エラーは研究時間を何ヶ月もロスする原因にもなりうるため、そういったなかでも期待程度に成果が上げられている点を自身は評価している。 申請書に記入したBepiColomboオペレーションへの貢献という点でも、学会発表や論文発表には繋がらないもののコンスタントに仕事を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も現在のペースおよび共同研究者との良好な関係を維持しながら研究課題の遂行に邁進したいと考える。特に第一回目のBepiColombo水星フライバイのデータ解析に区切りがついたことから、必要な解析コードなどがおおむね手元に準備できているため、第二回目の水星フライバイデータ解析への負担は当初の予定よりも下がると考える。今後はより数値計算研究、特に申請書に記載したより現実的な外気圏の導入、および時間変化する系を国際的なコラボレーションによって実現していく予定である。 水星表層における惑星イオン・太陽風プラズマの降り込み現象は近年多く研究されるようになり多くのモデルが誕生している。この事実は「申請者自身が自分で開発する必要がないのでは」という議論になりがちであるが、あくまで現在使用している太陽風ー水星磁気圏相互作用を計算する数値計算コードへの将来的な入れ込みを想定したものであるため、当初の予定通り2022年度に引き続き開発を進めたい。
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Remarks |
(2) タイトルはBepiColombo and Solar Orbiter compare notes at Venus
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[Journal Article] LatHyS global hybrid simulation of the BepiColombo second Venus flyby2022
Author(s)
Aizawa S.、Persson M.、Menez T.、Andre N.、Modolo R.、Genot V.、Sanchez-Cano B.、Volwerk M.、Chaufray J.-Y.、Baskevitch C.、Heyner D.、Saito Y.、Harada Y.、Leblanc F.、Barthe A.、Penou E.、Fedorov A.、Sauvaud J.-A.、Yokota S.、Auster U.、Richter I.、Mieth J.、Horbury T.S.、Louarn P.、Owen C.J.、Murakami G.
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Journal Title
Planetary and Space Science
Volume: 218
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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