2023 Fiscal Year Annual Research Report
Unraveling Exotic High-Density Matter from Neutron-Star Luminosity
Project/Area Number |
22KJ3227
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
土肥 明 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 基礎科学特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 中性子星 / 状態方程式 / X線バースト |
Outline of Annual Research Achievements |
私は、I型X線バーストの光度曲線から、中性子星の内部物質状態を特定する研究をこれまで行ってきた。これに関して本年度は、主に次の2つの研究を行った。 1:半径の異なるいくつかの中性子星の状態方程式(EOS)で、近年観測された規則的なX線バースト天体1RXS J180408.9-342058のモデル構築を行い、EOSの制限を行った。その結果、この観測が半径が12.6km以下の柔らかいEOSを棄却する傾向にあることを示した。また、1RXS J180408.9-342058の質量が、降着する中性子星にしては比較的軽いこともわかった。昔から知られている有名な規則的なX線バースト天体GS 1826-24以外で、I型X線バーストの光度曲線の観測からEOSを制限したのは初めてである。この内容は投稿寸前である。 2:中性子星とストレンジオン星での高い降着率でのX線バースト(ミリヘルツQPO)の光度曲線について簡易的なX線バーストモデルで調べた。その結果、ストレンジオン星でのミリヘルツQPO振動数が通常の中性子星より最大2倍高いことがわかった。特に、軽いX線バースト天体で両者の振動数に差が出る。この理由として、特に低質量でのストレンジオン星の半径が中性子星よりも遥かに小さいためである。この内容は、既に論文として出版された。今回のモデルでは中性子星の温度を手で与えているが、実際にはクラスと加熱、ニュートリノ冷却(ストレンジオン星の場合は主にクオークベータ崩壊)など様々な熱源によって温度構造は複雑になる。こうした熱源を取り入れたストレンジオン星のX線バーストモデルの構築を現在行っている段階である。
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