2023 Fiscal Year Research-status Report
弥生・古墳時代併行期における日韓年代論の再構築と対外交渉の実証的研究
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22KK0009
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
平郡 達哉 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (60709145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 崇 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (90514290)
會下 和宏 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (90263508)
松永 悦枝 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (40625927) [Withdrawn]
谷澤 亜里 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (50749471)
稲田 宇大 (金宇大) 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (20748058)
森 貴教 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30775309)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2028-03-31
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Keywords | 弥生・古墳時代 / 青銅器時代~三国時代 / 日韓 / 年代論 / 対外交渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本列島社会が本格的な農耕を開始し、国家形成へと歩みだす弥生時代から古墳時代において、対外交渉が集団関係の形成に与えた影響の具体相について考古資料に即して実証的に究明することを目的とする。その第一歩として日韓交渉に着目し、日本列島と韓半島それぞれの相対年代の併行関係と、両地域における暦年代の定点を策定することにより、東アジア史にコミットしうる議論の枠組みを構築・共有することをめざす。 具体的には、第一に日本列島および韓半島の双方で出土する考古資料をもとに、両地域の相対年代の時期的な併行関係を確定する。第二に、絶対年代が判明する考古資料の相対編年上の位置づけをふまえて、暦年代の定点を明らかにする。第三に、両地域間の交流・交渉関係の通時代的な変遷から、対外交渉史としての動態と画期を実証的に把握する。そのうえで、対外交渉と権力の関係に着目して、日韓両地域の国家形成へと至る社会変動の具体相に迫る。 6年計画の2年目に当たる令和5年度は日本側の研究メンバーが訪韓し、特に嶺南地域における青銅器時代の磨製石剣、原三国時代の青銅器・倭系土器を中心に実見調査を実施した。また、韓国側の研究協力者の訪日調査も実施し、日本側の研究メンバーと共に弥生時代の鉄器、山陰地域出土の三韓土器・楽浪系土器を中心に実見を行った。 そして、日本での研究会(山陰考古学研究集会『先史・古代の日韓交流の様相‐山陰を中心として‐』8月26・27日開催)において、韓国側研究協力者を招聘し韓国で出土している弥生時代後半期から古墳時代前期並行期の倭系土器についての研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2022年度後半期から開始しているが、本格的な訪韓・訪日調査を2023年度から開始・実施できたことが理由として挙げられる。また、資料を実見する中で新たな問題意識と継続的な調査の必要性を認識でき、日韓の研究者が共同で調査することで共通した目的認識を共有できたことも理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って調査・研究を進めていく。 3年目以降、韓国現地での関連考古資料の実見・実測調査を持続的に実施する。具体的には釜山・金海地域出土の関連考古資料の実見・実測調査を研究分担者と共にグループで実施する予定であるが、一部の資料はソウルの中央博物館にも展示・収蔵されているため、そちらでの調査も実施する。 上記した方策で、日本列島との関わりが最も深い嶺南地域の青銅器時代年代関連資料および金官加耶地域における暦年代資料の様相を把握することに努めたい。
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Causes of Carryover |
所属勤務先の異動によって研究分担者の資格を喪失し訪韓調査を実施できない研究メンバーが出るなど旅費として計上していた金額が残ったため。 残った金額については、令和6年度予定の訪韓調査時の予算に充てる。
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