2022 Fiscal Year Research-status Report
Land Use Change in West Borneo: Cross-Border Comparative Analysis on the Facts and Those Causes with Drone Shots and Interview with Stakeholders
Project/Area Number |
22KK0012
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
林田 秀樹 同志社大学, 人文科学研究所, 教授 (70268118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖田 亮次 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (30325138)
渡辺 一生 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (30533012)
佐久間 香子 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (50759321)
上原 健太郎 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (90829417)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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Keywords | ボルネオ / 西カリマンタン / サラワク / 土地利用 / 空撮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2022年10月の採択後、研究代表者・林田秀樹が所属部局・同志社大学人文科学研究所で主宰する共同研究会(同研究所第21期第8部門研究、研究課題:「東南アジアの小規模生産者に関する部門横断的研究―地域経済・社会の内発的発展への貢献を考える―」)をプラットフォームとして研究活動を行ってきた。研究代表者はもちろん、4名の研究分担者も全員この研究会のメンバーとなり、様々な研究領域をもつ他の11名のメンバーたちと学際的共同研究を展開してきている。今年度、林田及び祖田亮次が、この研究会主催のセミナーで本研究の研究課題に関する研究発表を行ったが、このうち採択後の報告は祖田のみであった。また、この研究会では、各自の調査の実施計画や実施状況、分担課題の遂行状況等に関して情報共有するとともに、本研究の今後の計画遂行に関する相談も行ってきている。 このほかの口頭発表としては、林田が2023年1月に、所属部局が主催する同志社大学人文科学研究所2022年度連続講座で3回にわたって招待講演を行った。当該講座の主題は「パーム油の用途/産業のあり方を考える―食用から燃料への転用は是か非か―」であり、各回の副題は学会発表欄に記した通りである。 論文としては、祖田が2本の共著論稿を発表している。なお、祖田の2本の論稿の共著者は、長年の研究上のカウンターパートである加藤裕美(福井県立大学学術教養センター・准教授)である。今後、場合によっては加藤との連携も図っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採択後の研究機関が半年に満たないなかで、論文などの業績を出せていないのは、致し方ない側面がある。しかし、メンバーのうちインドネシア側の西カリマンタン州調査の責任者・林田、マレーシア側のサラワク州調査の責任者・祖田、並びに若手の佐久間香子は、半年以下の短期間ながら、両州の調査地において自身の分担課題に関するフィールド調査を実施するとともに、海外共同研究者及びその所属機関、並びに調査対象者に今後の共同調査について説明して理解を得、協力について同意を取りつけてきた。また、渡辺は、調査に必要なドローンを購入して所属機関への登録も済ませている。このように、調査環境を整え今後の共同調査に向けて着実に準備を重ねてきていることが、本研究は「おおむね順調に進展している」とする理由である。もう1人の若手である上原健太郎も、現在就いている私立中学・高校の教員職として勤めるなかで研究環境上の制約に直面しているが、共同研究のプラットフォームである同志社大学人文科学研究所第21期部門研究会第8研究のセミナーに可能な限り参加し、他のメンバーと今後の共同調査についての協議を重ねてきている。 ただ、フィールド調査に関しては、最近まで新型コロナ関連の規制で約3年間にわたり十分な調査ができていなかった期間の直後であるため、当該期間にオンライン上で細々とつないできた研究協力者や調査対象者らとの関係を元通りの状態に戻し、調査協力を改めて要請することから始めざるをえなかったため、決して「計画以上に進展している」わけではない。一方で、先述のように、現地研究協力者らとの関係回復を滞りなく終え、今後の調査研究計画についても理解と同意を得て調査開始の緒に就くことができた。今後は、研究協力者らとの連携をより強固なものとしながら、どのように当初の研究計画に沿って調査の進捗を図っていくかが問われることになる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、今年度は果たせなかった複数メンバーによる共同調査を実現し、メンバー共通の問題関心と各自が互いの分担課題への取組みに関する理解を形成していくことが、今後の調査研究の土台を築くと考えている。加えて、各自が今後の調査で得られる知見をどのように研究成果として公表していくかについて積極的で実行可能な計画を立てることが今後の研究の進捗を図るうえで重要である。本研究は、先述の通り研究代表者が所属部局で主宰している共同研究をプラットフォームとして活動を展開している。この研究会では、本研究のメンバーを含む16名の全メンバーに、年1回の研究報告を義務として課している。諸事情によりその義務が果たされない場合もあるが、義務を課すこと自体は、調査の結果をまとめ、それを既存研究に照らしつつ検討し、学術的成果に結びつけていく機会としては有効である。加えて、そうした場は、本研究のメンバー間で互いの調査研究の経過・成果を共有する重要な機会になるとともに、本研究のメンバー以外からのリビューを受ける機会にもなっている。研究期間中は、こうした活動を基本スタイルとして維持していく。 以上の過程を経て、本研究のメンバー各自が所属学会で研究発表を行い、その内容を学術論文に結実させていく過程も重視する。各自の学会発表・論稿投稿計画を互いに明確化し、その経過についても随時情報共有を行う。その傍らで、海外共同研究者との共著論文の構想について、具体化を図っていく。 必要に応じて、プラットフォーム内外でのメンバー間の情報共有、意見交換の場を意識的に設ける。また、本研究のメンバーと海外共同研究者でセッションを組み、日本並びに調査国現地での研究成果発表をグループ行うことも検討し具体化を図っていきたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、大きく分けて2つある。1つは、旅費(特に外国旅費)の未執行が13,622,498円と多かったことである。林田は、現在受給している科学研究費基盤(B)で2022年度末のインドネシアへの調査旅費を賄い、その調査のなかで本研究に関係する調査も並行して行うことができたため、本研究の予算を節約できた。渡辺、上原は、半年に満たない研究期間のなかで、現地でのフィールド調査を実施できなかった。また、フィールド調査に派生する諸経費(人件費・謝金240,000円、その他経費370,000円)も未執行となった。2023年度は、周到にフィールド調査の日程を調整して共同調査を実施し、今年度一部遂行できずに終わった調査も併せて実施する。 2つ目の理由は、物品費の執行について渡辺が調査時に使用するドローンの購入をほぼ予定額通りの価格で購入することができたが、その他はメンバー各自が購入を予定していた物品に関し、適当な購入対象を見つけられずに232,051円が未執行となったことである。これについても、2023年度は早くから適当な購入対象を選定し、各自がそれぞれの分担課題遂行に用いることができる状態にしておく。
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Remarks |
(1)に関しては、「第8研究」の欄を参照。
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Research Products
(10 results)