2023 Fiscal Year Research-status Report
Religiosity and Civil society among the Digital Native Generation in Africa and Asia
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22KK0013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿毛 香絵 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 助教 (90876351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛内 悠子 盛岡大学, 文学部, 教授 (40773411)
樫尾 直樹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (50233698)
野中 葉 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (70648691)
丹羽 充 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 講師 (70926922)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | アジアアフリカ比較研究 / フィールド調査 / オンライン調査 / 言説分析 / SNS / 若者とメディア |
Outline of Annual Research Achievements |
【今年度の研究活動】 本研究課題「アフリカ・アジアのデジタルネイティブ世代における宗教性と市民社会」について、研究分担者と定期的にオンラインにて打合せを行った。 2023年6月22,23日には、Religiosity, Youth, Digital Media and Civil Society in Africa and Asiaをテーマにワークショップを開催し、メンバーに加え、研究協力者をネパールから招聘し、大学院生や若手研究者も交えた議論を行った。 第1セッションではChanging Media Landscapesand Religiosity in Africa and in Asiaをテーマにネパール、日本、韓国、ニジェール、セネガル、ウガンダなどの事例を比較した。Se第2セッションと第3セッションでは、ケーススタディーズに基づくディスカッションを行い、ネパールや、マレーシアのハラールマーケット、ニジェールの事例など、異なるフィールドのICT利用と宗教性について、院生の発表を交えて議論した。最後の第4セッションでは、異なる事例をつなぐ共通項や、研究の方法論について議論を行った。勉強会においては、先行研究の輪読も行い、現代社会におけるメディアと若い世代の宗教性に着目した著作を批判的に検討することで、本研究の新規的な対象へのアプローチ方法を検討している。 また、今年度は、長崎の比較文明学会にて情報収集をしたり、アフリカ学会で当該テーマについて発表を行うなど、インプット/アウトプットの機会も多くあり、同時に国内外でのフィールド調査やオンラインを利用したインタビューやネットなどの言説分析をそれぞれの分担者が進めた。 また、分担者の野中と阿毛は、日本の若いムスリムとの映像メディアの制作を通した参与観察の方法論の検証も行っており、今後当事者を交えた研究の認識論的枠組みからも、同研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度予定されていたセネガルでのワークショップを、政治的な理由(同国の大統領選)などの理由により、2026年の夏に延期することとした。2025年度は、ネパールでのワークショップを企画しており、国内外の研究者との共同研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおり、2025年度はそれぞれのフィールド調査・事例研究を進めると同時に、海外の協力者も交えた定期的なオンライン勉強会を開催する。また、年度末の2~3月にはネパールでの国際ワークショップを企画しており、研究共同研究者を招聘して今後のアウトプットへ向けた議論を行う。 当初よりそれぞれの地域の若い信者のICT利用と宗教性に影響を与えていると考えたいくつかの比較研究の軸(1,日常的な宗教実践における身体性・社会性とICT利用の実態/2,社会運動や政治的な宗教運動などの組織や影響力のある個人によるICT利用/3,日常的な社会空間と狭義の政治領域の中間的な領域におけるプラクティス/4,宗教的・政治的ディスクール)についてそれぞれの事例で検証し、こうした軸が現代の宗教性と若い世代の「市民社会」のありかたを描き出す軸となりうるかについても検証していく。 それぞれのフィールドの特性や、地域ごと状況なども比較しつつ、研究を進める。 インターネットやスマートフォンなど研究対象となる若い世代の人々が用いているツールを利用した方法論を検証し、参与観察を通してこうしたツールが身体性や社会性、宗教性に及ぼす影響を検証することで、新たな動きを人文社会科学の視点から改めて研究する手法についても本研究を通して比較検証する。
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Causes of Carryover |
今年度予定されていたセネガルでのワークショップを、政治的な理由(同国での大統領選挙時期と被った)のために延期し、2025年に行うことにしたため、旅費を来年度に繰り越すこととなった。
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