2023 Fiscal Year Research-status Report
New Approaches on Measurement of Intangibles and Productivity Movements
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22KK0021
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
宮川 努 学習院大学, 経済学部, 教授 (30272777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 友彦 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (10328669)
金 榮愨 専修大学, 経済学部, 教授 (50583811)
外木 好美 立正大学, 経済学部, 准教授 (10621964)
枝村 一磨 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (20599930)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | 生産性 / 無形資産 / トービンのq |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画では、2023年度は2022年度に続き、各国の企業レベルのデータを整合性のある形で推計用に整理する作業計画であるため、6月に日本の作業チームでオンライン会議を開催し、資産の統一性などデータの整合性に関する議論を行った。これを踏まえ、8月初めにフランスチームとオンライン会議を行い、進捗状況を確認した。その際Bounfour教授から、組織資本の計測を行い、その付帯費用の推計作業を追加してはどうかという提案があり、新たにHulten and Hao (2008)の手法にしたがった企業レベルの組織資本の推計を行った。一方日本側は、データ構築後の各資産の投資調整費用の推計方法とその係数を利用したproductivity J-curveの推計方法について、フランス側へ説明を行った。 9月に宮川がパリへ行き、枝村氏がフランス側へ送ったデータを基にしたpreliminaryな推計結果を検討し、日本側でも同様の推計を行い、11月に日仏のオンライン会議を行い、互いの推計結果を確認した。また11月には宮川が、パリのUniversity of Paris-Saclayを訪問し、preliminaryなproductivity J-curveの推計結果について説明を行った。 以上の日仏間によるデータと推計の調整を済ませた上で、2024年3月に、Bounfour Univeristy of Saclay教授とポストドクターのAlberto Nonnis氏を学習院大学へ招へいし、小規模のワークショップを行った。この際、日本と西欧諸国のデータを使ったproductivity J-curveの推計結果を双方が提示し、その違いを検討した。また日本、韓国、中国のデータについては資産分類の差が大きいため、現在その調整過程にあることが報告されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の活動は、データ整備が主体であった。我々が利用するデータは、日本と西欧諸国については、Orbisデータセット、韓国と中国については、独自に収集した上場企業のデータである。このうちOrbisデータセットについては、資産分類が標準化されているため、比較的スムーズにデータ整理ができたが、韓国と中国については資産分類の差が大きく、データ整理が進捗していない。このため、まず日本と西欧先進国とのデータを使って推計を進める決断をした。 この決断によって、日本と西欧先進国(フランス、ドイツ、米国など)の推計は予定よりも早く進み、研究実績のところでも記載したように、2023年度中に日仏双方でproductivity J-curveの一時推計までにこぎつけている。したがってこの部分については、当初の研究計画より早く進捗していると言える。ただproductivity J-curveの推計に際して、元のTFP成長率を推計しておく必要があるが、これは組織資本を考慮した場合としなかった場合でことなるため、既存のデータベースのTFP成長率をそのまま利用するわけにはいかない。この点の考察は次年度に持ち越す課題となっている。 一方、韓国及び中国についてはデータ整備が当初の予定よりも遅れている。これは資産分類の細かさからすると、韓国>日本>中国となっているため、中国の資産分類をどのように韓国や日本のレベルに持っていくかを考えているためである。この問題はある時点で決断をして日本と韓国に焦点をしぼった分析に移行することも視野に入れる時期が近づいていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、本格的にproductivity J-curveに至るまでの推計を行い。各国のproductivity J-curveの系列の相違点から得られるインプリケーションを元に、論文を執筆し学会報告につなげることを目指している。 まず、日本と西欧先進国との分析結果については、進捗状況の部分で説明した組織資本を考慮した場合とそうでない場合のTFP成長率の推計課題が残されている。これに関しては、双対性を利用して数量面のデータを利用してTFP成長率を計測するのではなく、価格面のデータを利用してTFP成長率を計測する方法を考えている。 この計測方法でproductivity J-curveが推計されれば、各国の特徴と相違点を踏まえた上で、論文を執筆することになる。論文の最初のヴァージョンは6月から7月頃の完成を目指しており、この時点で(独)経済産業研究所のディスカッション・ペーパーにするべくセミナーで発表することを予定している。このセミナーでの改訂を踏まえた上で、秋から様々な国際学会での報告を予定している。それと同時に学会誌への投稿準備も進める予定である。 一方、日本と韓国、中国のproductivity J-curveの推計については、資産分類を先行してる日本と西欧諸国の分類と異なることも許容したうえで、推計対象国をしぼり、推計にとりかかりたいと考えている。そして年度末までには、一時的なproductivity J-curveの推計にこぎつけることを目指している。
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Causes of Carryover |
当初枝村氏が2023年度にフランスへ行き、対面で打ち合わせをすることを想定していたが、企業レベルデータを使った投資調整費用パラメータの推計結果を利用したproductivity J-curveの推計は石川氏に任せることになった。そうすると対面で打ち合わせをすることになると、日本側から最低でも3名がパリへ行かねばならず、当初の予算からすると厳しい見通しとなった。このため逆にBounfour Univeristy of Paris-Saclay教授とポストドクターのNonnis氏を日本に招き、ワークショップを開催した方が、このプロジェクトに関わっている日本側の研究者全員と議論を交わすことができて効率的だと判断した。枝村氏の研究費は持ち越しとなっているが、これは円安下でもあり、2024年度以降の国際学会での報告のために使用することが適切であると判断した。
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Remarks |
宮川努・木内康裕「生産性停滞 要因と対策(上)「豊かさ」への新たな戦略探れ」日本経済新聞、2024年2月21日. 宮川努「投資起点の好循環 目指せ 成長力を取り戻す 上」日本経済新聞 Analysis、2023年6月19日
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Research Products
(13 results)