2023 Fiscal Year Research-status Report
International Antarctic balloon-borne experiment GAPS to open the next era of cosmic-ray observation and dark-matter search
Project/Area Number |
22KK0042
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
福家 英之 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (10392820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 峻 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (00747751)
清水 雄輝 神奈川大学, 工学部, 教授 (60434320)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | 宇宙線 / 暗黒物質 / 反粒子 / 反物質 / エキゾチック原子 / 測定器開発 / 気球実験 / 先端機能デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、宇宙線中に微量に含まれる反粒子(とりわけ未発見の反重陽子)の高感度探索を通じてダークマター等の初期宇宙物理の課題に迫ることを最終目的とする。ダークマターの解明は現代の宇宙物理学・素粒子物理学における喫緊の重要課題の一つである。ダークマターの解明には多角的な研究が求められている。本研究では、宇宙線反重陽子という新しい手掛かりを開拓することで、他実験とは異なる視点からダークマターの正体に迫り重要な知見を提供することができる。 その学術目的に迫るため、反粒子宇宙線観測計画GAPS(General Anti-Particle Spectrometer)を推進している。GAPSの測定器は、主にシリコン検出器トラッカとプラスティックシンチレーションカウンタ群で構成され、エキゾチック原子の崩壊過程を利用した新しい粒子識別手法を導入する。この新手法により、測定器の大型化を実現する。NASA南極周回気球によって約1ヶ月間の長時間観測を高空にて複数回実施し、稀少な反粒子を探索する。 GAPSは従来に無い新しいコンセプトに基づく測定器であることから、気球による観測本番の実施に先立ち、地上(実験室内)や環境試験設備(真空チャンバなど)での動作確認が欠かせない。 2023年度は、米国カリフォルニア大学バークレー校にてGAPS測定器フライトモデル(実機)の総合組立を実施した後、米国NTS社の大型チャンバを利用した真空環境試験を実施し、測定器システムの耐性を確認した。その後、米国内の拠点をコロンビア大学ニービス研究所に移し、GAPS測定器の総合試験を重ねた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で計画するGAPS測定器による宇宙線観測は、それに先立ち米国の研究協力者と共同で米国NASAにて噛合せリハーサル試験を実施する必要があり、2023年度中に予定していた。しかし、当初の想定に反して米国機関のスケジュール変更が生じることが判明したことから、噛合せリハーサル試験の実施を2024年度に繰り越した。 ただし、それに伴い、米国での総合試験には十分な時間を充てることができるようになったことから、GAPSの測定器開発および科学観測実現という本研究計画の最終目標には影響していないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
GAPS測定器フライトモデル(実機)の総合試験を米国コロンビア大学ニービス研究所にて重ねた後、米国テキサス州のNASA/CSBF本部にてNASA気球バス機器との噛合せリハーサル試験を実施する。その後、測定器システム一式を南極マクマードに輸送し、南極にて最終準備を行ったうえで、気象条件が適合する機会を狙って南極周回気球フライトによる反粒子宇宙線を観測し、科学データを取得する。
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Causes of Carryover |
本研究で計画するGAPS測定器による宇宙線観測は、それに先立ち米国の研究協力者と共同で米国NASAにて噛合せリハーサル試験を実施する必要があり、2023年度中に予定していた。しかし、当初の想定に反して米国機関のスケジュール変更が生じることが判明したことから、噛合せリハーサル試験の実施を2024年度に延期し、当該試験に係る器材調達費や米国出張費を2024年度に繰り越した。2024年6月までに米国NASA/CSBF本部にて噛合せリハーサル試験を実施し、2024年12月に宇宙線観測を実現する計画である。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] 南極長時間飛翔気球を用いた暗黒物質探索実験GAPSの初フライトに向けた現状報告2024
Author(s)
水越彗太, 福家英之, 小川博之, 岡崎峻, 高橋俊, 山谷昌大, 吉田哲也, 清水雄輝, 入江優花, 永井大洋, 鈴木俊介, 佐々木文哉, 和田拓也, 吉田篤正, 小財正義, 加藤千尋, 宗像一起, 平井克樹, 河内明子, 川本裕樹, 木間快, 奈良祥太朗, 清水望, 他
Organizer
日本物理学会 2024年春季大会
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[Presentation] The GAPS experiment - a search for light cosmic ray antinuclei2023
Author(s)
A.Stoessl, for the GAPS collaboration (T.Aramaki, M.Boezio, S.E.Boggs, V.Bonvicini, G.Bridges, D.Campana, W.W.Craig, P.v.Doetinchem, E.Everson, L.Fabris, S.N.Feldman, H.Fuke, F.Gahbauer, C.Gerrity, L.Ghislotti, C.J.Hailey, T.Hayashi, A.Kawachi, M.Kozai, et al.)
Organizer
38th Intl. Cosmic Ray Conf. (ICRC2023)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Integration and Calibration of the GAPS Antarctic Balloon Payload2023
Author(s)
R.Munini, F.Rogers, for the GAPS collaboration (T.Aramaki, M.Boezio, S.E.Boggs, V.Bonvicini, G.Bridges, D.Campana, W.W.Craig, P.v.Doetinchem, E.Everson, L.Fabris, S.N.Feldman, H.Fuke, F.Gahbauer, C.Gerrity, L.Ghislotti, C.J.Hailey, T.Hayashi, A.Kawachi, M.Kozai, et al.)
Organizer
38th Intl. Cosmic Ray Conf. (ICRC2023)
Int'l Joint Research
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[Presentation] The identification of the cosmic-ray light nuclei with the GAPS experiment2023
Author(s)
R.Munini, A.Lenni, for the GAPS collaboration (T.Aramaki, M.Boezio, S.E.Boggs, V.Bonvicini, G.Bridges, D.Campana, W.W.Craig, P.v.Doetinchem, E.Everson, L.Fabris, S.N.Feldman, H.Fuke, F.Gahbauer, C.Gerrity, L.Ghislotti, C.J.Hailey, T.Hayashi, A.Kawachi, M.Kozai, et al.)
Organizer
38th Intl. Cosmic Ray Conf. (ICRC2023)
Int'l Joint Research
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[Presentation] The GAPS Time-of-Flight Detector2023
Author(s)
S.N.Feldman, T.Aramaki, M.Boezio, S.E.Boggs, V.Bonvicini, G.Bridges, D.Campana, W.W.Craig, P.v.Doetinchem, E.Everson, L.Fabris, H.Fuke, F.Gahbauer, C.Gerrity, L.Ghislotti, C.J.Hailey, T.Hayashi, A.Kawachi, M.Kozai, et al.
Organizer
38th Intl. Cosmic Ray Conf. (ICRC2023)
Int'l Joint Research
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[Presentation] 南極長時間飛翔気球を用いた暗黒物質探索実験GAPS2023
Author(s)
水越彗太, for the GAPS Collaboration (T.Aramaki, M.Boezio, S.E.Boggs, V.Bonvicini, G.Bridges, D.Campana, W.W.Craig, P.v.Doetinchem, E.Everson, L.Fabris, S.N.Feldman, H.Fuke, F.Gahbauer, C.Gerrity, L.Ghislotti, C.J.Hailey, T.Hayashi, A.Kawachi, M.Kozai, et al.)
Organizer
第67回宇宙科学技術連合講演会
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[Presentation] 宇宙線反粒子測定器GAPSの南極初回フライトに向けた総合試験の状況報告2023
Author(s)
清水雄輝, 入江優花, 永井大洋, 鈴木俊介, 佐々木文哉, 和田拓也, 吉田篤正, 福家英之, 水越彗太, 小川博之, 岡崎峻, 高橋俊, 山谷昌大, 吉田哲也, 小財正義, 加藤千尋, 宗像一起, 平井克樹, 河内明子, 川本裕樹, 木間快, 奈良祥太朗, 清水望, 他
Organizer
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所大気球シンポジウム (2023年度)
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