2022 Fiscal Year Research-status Report
Health monitoring system with machine learning of offshore wind turbines in Scotland (UK) based on non-contact remote laser ablation vibration testing
Project/Area Number |
22KK0053
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
細矢 直基 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40344957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雄平 東京工業大学, 工学院, 研究員 (20914659)
前田 真吾 東京工業大学, 工学院, 教授 (40424808)
梶原 逸朗 北海道大学, 工学研究院, 教授 (60224416)
橋村 真治 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90290824)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | ねじ締結体 / 軸力検出 / 解析モデル / 機械学習 / レーザー技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
緩んでも緩まなくても困る,矛盾している機械要素がねじ締結体である.軸力の管理は,打音試験法,トルクレンチ法,超音波法などにより行われている.どれも検査員の重労働に依存しており,遠隔かつ自動による軸力検出が期待されている.過去に,多くの軸力検出手法が検討されてきた.研究代表者も同様である.しかし,これらの研究では,極めて理想的な状態において軸力検出を検討してきた.洋上風力発電機をはじめ,多くのインフラ構造物のねじに施されている表面処理(メッキ等)を無視している.表面処理は,締結時の摩擦特性など,軸力管理に大きな影響を及ぼす.学術的「問い」は,過酷な環境で用いるための表面処理(数百マイクロメートル程度)が施されたねじ締結体の軸力検出を,過去に検討されてきた方法で実現できるのか,これを遠隔で行い,機械学習により自動化できるのか,である.本研究では,イギリス,Edinburgh大学のGiorgio-Serchi先生,Garcia Cava先生らの研究チームの機械学習と,細矢らのレーザー加振による非接触遠隔計測を融合する.そして,実構造物に用いられる表面処理が施されたねじ締結体を有する実機モデルに対して,軸力検出を試みる. 令和4年度は,軸力を考慮したねじ締結体の解析モデルを構築し,その有効性を検証した.また,3本のボルトを有するねじ締結体に対して振動実験を実施し,軸力を変化させた際のねじ締結体の固有振動数を計測した.これにより,軸力とねじ締結体の固有振動数との関係があることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は,既報で軸力とねじ締結体のナットから突出したねじ部(ねじ突出部)の固有振動数との関係を実験的に明らかにし,これにより軸力検出を実現した.そのときの条件は,1本のボルトを有するねじ締結体,ボルトの表面処理は膜厚がおよそ0.5マイクロメートル程度と薄い四酸化鉄被膜,被締結物の固有振動数や被締結物間の摩擦の影響を排除するために一体成形された立方体形状の被締結物を使用した.本年度は,この実験モデルを計算機上で再現するための解析モデルを構築した.被締結物内部のボルトの軸部とねじ突出部をオイラーベルヌーイはり,ボルトヘッドとナットの部分を回転ばねと並進ばねで支持された解析モデルとした.そして,ボルトに作用している軸力を考慮した.従来の解析モデルでは,ねじ突出部を考慮していないが,本研究の解析モデルではこれを考慮している点に大きな違いがある.本研究および従来の解析モデルにより得られた軸力とボルトの固有振動数との関係を比較したところ,本解析モデルは,実験モデルと非常によく一致すること確認した.これにより,解析モデルにおいては,ねじ突出部を考慮しなければならないことを明らかにした. 実験モデルをより複雑にするために,ねじ締結体のボルト本数を3本,ボルトの表面処理の膜厚がおよそ5マイクロメートル程度の電気亜鉛メッキ(光沢クロメート),被締結物の固有振動数の影響を考慮するが被締結物間の摩擦の影響を無視するために一体成形された長方形平板形状(長さ150 mm,幅50 mm,厚さ38 mm)の被締結物とした.3本のボルトの中で1本だけ軸力を変化させ,振動実験を実施したところ,研究代表者の既報と同じように,軸力とねじ締結体の固有振動数との関係があることを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で構築した解析モデルの妥当性を,研究代表者の既報において得られた実験データと比較評価することで検証する.また,本解析モデルを用いることで,ボルトの呼び径が異なるねじ締結体の実験データを再現できるかどうか調べる.さらに,本解析モデルは,被締結物内部のボルトの軸部およびねじ突出部をオイラーベルヌーイはり,ボルトヘッドとナットの部分を回転ばねと並進ばねで支持しているため,複雑なものになっている.本解析モデルをねじ突出部のみとした簡易解析モデルを構築し,このモデルによるねじ締結体の軸力の精度評価を行う. 令和4年度のねじ締結体(ボルト3本)に対して,ボルトの表面処理の膜厚がおよそ100マイクロメートル程度の厚い溶融亜鉛メッキのものを使用して,軸力と固有振動数との関係を調べる.また,被締結物間の摩擦の影響,様々な緩みの状況(3本すべてが緩む,1本だけ緩むなど)も考慮する.そして,ねじ締結体の軸力変化が,どの固有振動数(被締結物またはボルト)に及ぼす影響が大きいのかを調べる.さらに,軸力と固有振動数との関係に基づき,機械学習によりねじ締結体の軸力の自動検出も試みる.
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Causes of Carryover |
令和4年度においては,3本のボルトを有するねじ締結体を製作し,ねじ締結体の軸力と固有振動数との関係を調べた.それぞれのボルトにはひずみゲージを埋め込み,軸力を計測する.このような簡易モデルでの検証であったため,供試体製作に要する費用が少なくなった.次年度以降は,ひずみゲージが埋め込まれたボルト本数や被締結物の種類の増加,新たな加振実験装置,レーザー技術のための光学機器や保守,Edinburgh大学での研究遂行(渡航費など),国際会議における成果発表などに,この次年度使用額と令和5年度の予算を使用する.
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Research Products
(5 results)