2022 Fiscal Year Research-status Report
Effective Control of Dengue Vector Mosquitoes Utilizing Viral Resistance Genes
Project/Area Number |
22KK0060
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 幸三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80634435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十亀 陽一郎 福島工業高等専門学校, 化学・バイオ工学科, 助教 (60769850)
柳原 未奈 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 特別研究員 (70844942)
|
Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2025-03-31
|
Keywords | デング熱 / 東南アジア / ネッタイシマカ / ゲノム / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、以下二つの研究項目を中心に研究を進めた。 研究項目1(蚊ゲノムのウイルス抵抗性遺伝子の網羅的探索):CRISPR-Cas9でネッタイシマカの遺伝子を欠損させたネッタイシマカ培養細胞ライブラリーの構築のために、まずAag2細胞に感染するレトロウィルスを産生できるレトロウィルスベクターの系構築に着手した。まず、プロモーターIE1を有するプラスミドPIExを蚊の細胞(Aag2、C6/36)と哺乳類の細胞(BHK、vero)の両方にトランスフェクトした。その結果、蚊の細胞で緑色蛍光色素(GFP)の発現が確認された。次に、プライマーを設計し、逆転写PCRとInFusion HDクローニングによりIE1プロモーターをレトロウイルスベクターpRetroQ-AcGFP1-C1にクローニングした。このIE1プロモーターを持つ改変pRetroQ-AcGFP1-C1をトランスフェクションしたが、Aag2細胞ではGFPの発現が見られなかった。今後、クローニングやリピートクローニングのために設計したプライマーを変更したり、クローニングしたプラスミドの濃度を変えてトランスフェクションを行う必要があると考えられる。 研究項目2(蚊地域集団のウイルス抵抗性遺伝子の多様性評価):フィリピンのマニラ首都圏とインドネシアのジョグジャカルタでネッタイシマカを採取した。各世帯の屋内に誘虫紫外線ランプと吸引ファンを備えた電動蚊採捕機を設置し、デング熱が流行する雨季に採取した。採取した蚊標本は実体顕微鏡下で種を同定して、マイナス20度の冷凍庫内に保存をした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目1(蚊ゲノムのウイルス抵抗性遺伝子の網羅的探索)では、まず標的遺伝子を除去する酵素Cas9を発現するネッタイシマカ培養細胞系を構築するまでには至らなかったが、細胞系構築に必要な要素技術を確立させることはできた。また、研究項目2(蚊地域集団のウイルス抵抗性遺伝子の多様性評価)では、ネッタイシマカ成虫サンプルを採取することができた。以上より、概ね順調に進展しているを評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究項目1(蚊ゲノムのウイルス抵抗性遺伝子の網羅的探索):標的遺伝子を除去する酵素Cas9を発現するネッタイシマカ培養細胞系を構築する。この蚊培養細胞ライブラリーに、緑色蛍光色素(GFP)発現デングウイルスを添加し、感染数日後に蛍光活性セルソーティングでウイルス濃度が特に高い細胞群をウイルス抵抗性が低い細胞群としてスクリーニングする。 研究項目2(蚊地域集団のウイルス抵抗性遺伝子の多様性評価):フィリピンのマニラ首都圏とインドネシアのバンドンでネッタイシマカの採取を継続する。
|
Causes of Carryover |
次年度に行う次世代シークエンシング解析などの高価な解析のための予算を確保しておいた。
|
Research Products
(10 results)