2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of platform for creation of novel bioactive natural products by expression of latent functions of microorganisms
Project/Area Number |
22KK0080
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 俊二 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, ユニットリーダー (30311608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 克行 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員 (80894568)
鄭 宇 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (50894432)
Vo NgocQuynhNhu 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員 (60888543)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | 微生物潜在機能 / 天然化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
放線菌は有用化合物の宝庫であり、ゲノム解読から多くの二次代謝生合成遺伝子クラスターの存在が判明し、創薬探索源としての潜在能力が示されてきた。理化学研究所天然物生合成研究ユニットと韓国生命工学研究院(KRIBB)ケミカルバイオロジー研究センターは共同で、希少放線菌の探索、生合成遺伝子覚醒、二次代謝物の生産、生合成遺伝子や酵素機能の解析、新規化合物の生物活性評価を行うことによって、一気通貫した国際共同研究基盤構築を目指す。本年度は、代表者と若手研究員がKRIBBを訪問し、研究の議論を行うとともに、放線菌の探索、新規活性天然化合物の構造決定を行った。現在までに、分離、培養した放線菌抽出液のHPLC/MS分析を行い、得られた分子量とUVスペクトルデータをもとに天然化合物のデータベース検索を行い、新規化合物が含まれていると考えられる放線菌株を見出した。新規化合物を取得するために、本菌株を大量培養後、酢酸エチル抽出を行った。続いて、酢酸エチル抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ODSカラムクロマトグラフィーで精製した。最後に、HPLCを用いて精製を行うことにより、3つの化合物を取得した。さらに韓国基礎科学支援研究院でNMR測定を行い、化合物の構造を解析中である。現在までに明らかになった部分構造を検索した結果、取得した化合物は新規化合物と推定された。本年度は、人的交流による理研-KRIBB協力体制を強固にし、今後の研究課題に関する踏み込んだ議論を展開することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査、多様な微生物の取得、土壌放線菌の分離及びの代謝産物のスクリーニング、大量培養、酢酸エチル抽出、各種カラムクロマトグラフィーを用いて化合物を単離した。取得した化合物の純度をHPLC/MSで確認後、NMR測定を重DMSO中で行った。高分解能質量分析およびNMR解析データから得られた部分構造は新規化合物であると予想している。得られた化合物の構造決定を完了し、放線菌由来の未知生合成遺伝子クラスターの同定、各遺伝子の機能解析が進展する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 微生物の探索と新規天然化合物の取得:昨年度に引き続き、多様な環境、韓国固有の植物から希少放線菌群を収集する。取得した放線菌の大量培養・共培養等を検討し、生産誘導される新規天然化合物の単離と構造決定を行う。また、昨年度取得した天然化合物の生理活性評価を行う。 (2) 休眠遺伝子クラスター覚醒による新規天然化合物の創製:昨年度取得した新規化合物を生産する放線菌のゲノム配列解析、RNA発現解析を行う。転写制御因子の発現増強と鍵遺伝子のプロモーター改変により人為的に未知生合成遺伝子クラスターを活性化することによって、新規天然化合物の取得を検討する。生合成遺伝子クラスターを汎用放線菌宿主で異種発現することにより新規天然化合物生産も検討する。 (3) 小分子化合物を活用した天然化合物の生産誘導法の開発:自然環境では、共生植物や共生微生物が分泌する小分子化合物シグナルを受容して微生物の生合成遺伝子発現が誘導されると考えられている。化合物ライブラリーや植物の抽出物を活用して微生物二次代謝物の生産を誘導する小分子化合物を探索する。 (4) 生合成機構の解析:昨年度取得した天然化合物の生合成遺伝子クラスターを解析する。この時、遺伝子破壊により蓄積する生合成中間代謝物も取得する。また、機能未知の酵素や修飾酵素の理解は構造多様化に重要であるため、新規酵素の反応機構の解析を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度の韓国KRIBB研究グループにおける受け入れ状況の変化に応じて、スクリーニング、物取り構造決定担当の若手研究者のみが長期滞在する状況となったため、未使用額が生じた。2024年度には微生物探索、二次代謝産物の単離研究を継続して行うとともに、新たに微生物ゲノム解析、生合成遺伝子クラスターの解析に関わる若手の研究者がKRIBBを訪問し研究を推進する経費として使用する。
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[Presentation] Iron-sulfur protein catalyzed [4+2] cycloadditions in verticilactam biosynthesis2024
Author(s)
Yu Zheng, Katsuyuki Sakai, Kohei Watanabe, Hiroshi Takagi, Yumi Sato-Shiozaki, Yuko Misumi, Yohei Miyanoiri, Genji Kurisu, Toshihiko Nogawa, Ryo Takita, Shunji Takahashi
Organizer
日本農芸化学会
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[Presentation] Expression of Syo_1.56 SARP Regulator Unveils Potent Elasnin Derivatives with Antibacterial Activity2024
Author(s)
Islam Adel Abdelhakim Amin, Yushi Futamura, Yukihiro Asami, Hideaki Hanaki, Naoko Kito, Sachiko Masuda, Arisa Shibata, Ken Shirasu, Hiroyuki Osada, Jun Ishikawa, and Shunji Takahashi
Organizer
日本農芸化学会
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