2023 Fiscal Year Research-status Report
Translatome responses to extreme sleep rhythms and neuronal integration
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22KK0106
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷本 拓 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70714955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市之瀬 敏晴 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (20774748)
山方 恒宏 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (50716248)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | 翻訳制御 / ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ショウジョウバエを慢性的な断眠ストレス下に暴露し、細胞種特異的な比較トランスラトーム・トランスクリプトーム解析を行う。リボソームプロファイリングにより翻訳効率が変化するタンパク質群を同定し、睡眠の断片化に伴う生体内の生理学的変化を理解する。 今年度は、微量の標的細胞から翻訳中のmRNAを抽出する技術を確立し、細胞種特異的なリボソームプロファイリングの実施に向けた実験パイプラインの整備を進めた。さらに共同研究者であるChang Liu博士(Shenzhen Institutes of Advanced Technology, Chinese Academy of Sciences)と協働で、睡眠阻害実験のためのセットアップを確立した。この実験系を用いて、断眠ストレスを与えた際のアクティブゾーンにおける内在性シナプスタンパク質の動態を解析した。代表的なアクティブゾーンの構造タンパクであるBruchpilot (Brp)に焦点を当て、SplitGFP 再構成技術を活用した標的細胞特異的な内在性タンパクの蛍光標識法を用いて、異なる神経細胞種間においてBrpの細胞内局在を可視化した。その結果、Brpの空間分布が断眠状態において可塑的に変化することを見出し、短周期の睡眠阻害によるストレスがシナプスタンパクへ及ぼす影響を明らかにした。さらに、共同研究者のLiu博士を日本に招聘し、今後の研究方針と渡航計画について議論を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標をおおむね達成し、着実に研究成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度確立した少数の細胞群からのリボソームプロファイリング法を用いて、トランスジーン発現細胞から特異的に翻訳中のmRNAを回収し、ストレスの翻訳応答をプロファイルする。並行して断眠ストレスを介在する候補分子を探索し、その産生酵素や受容体の機能を阻害したトランスジェニック系統を用いて、睡眠阻害により誘導されるBrpの細胞内局在の可塑性を検証する。また、シナプスタンパクの可塑的変化が断眠ストレス特異的であるのか、あるいは飢餓など別種の環境ストレスにおいても生じるのかを明らかにするため、各種ストレスがアクティブゾーンの分子構造へ与える作用を同様の実験系を用いて比較検討する。
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Causes of Carryover |
覚醒・睡眠測定DAMシステムおよび次世代シーケンス解析用のセットアップについて、想定よりも大規模な拡充が必要となったため、次年度の実験系整備に向けた備品・消耗品に使用する。
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Research Products
(13 results)