2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel therapies for ENL-mutated Wilms tumor
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22KK0119
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
横山 明彦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (10506710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小俣 洋介 国立研究開発法人国立がん研究センター, その他部局等, 外来研究員 (40968559)
金井 昭教 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任准教授 (60549567)
川村 猛 東京大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (70306835)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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Keywords | 白血病 / Wilms腫瘍 / 分子標的薬 / ENL |
Outline of Annual Research Achievements |
Wilms腫瘍は小児に見られる腎腫瘍であり、多様な変異によって引き起こされる。近年のゲノム解析によって、ENL遺伝子に数アミノ酸残基の欠失もしくは挿入が起き、その結果ENLタンパク質の機能が改変され、腫瘍を形成する事が示唆された。ENLは悪性の小児白血病を引き起こすMLL転座白血病においてMLLと融合するパートナー遺伝子でもある。MLL転座白血病ではENLが標的遺伝子上に恒常的にリクルートされることで転写が恒常的に活性化され、発がんを誘導する。しかし、腎腫瘍でみられるENL変異がどのようなメカニズムでがんを引き起こしているのかはわかっていない。本研究で我々はENL変異によって引き起こされる小児腎腫瘍の分子メカニズムの解明及び分子標的療法の開発を目指す。本研究はENL T1変異研究の先駆者である米国Van Andel InstituteのHong Wen及び、ENLの変異が起こるYEATSドメインの構造を解析している構造生物学者であるUniversity of ColoradoのTatiana Kutateladzeとの国際共同研究として行う。 研究目的1:ENL T1変異体は野生型のENLと比べてどのような機能的な違いがあるのかを明らかにする。 ENLT1変異体に特異的に結合するタンパク質群を同定した。また、これらのタンパク質の働きをCRISPR/Cas9システムを用いたdropout assay等で検討した。 研究目的3:ENL T1変異体による発がんモデルを構築し、これまでにMLL転座白血病に対して抗腫瘍効果を保つ事が示された分子標的薬の薬効を評価する。 腎腫瘍と白血病両方のモデルを構築することを目指し、白血病についてはin vivoモデルが構築された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的1「ENL T1変異体は野生型のENLと比べてどのような機能的な違いがあるのかを明らかにする」について、結合因子の探索を行い、変異体と特異的に結合するタンパク質を見出した。研究目的3「ENL T1変異体による発がんモデルを構築し、これまでにMLL転座白血病に対して抗腫瘍効果を保つ事が示された分子標的薬の薬効を評価する」について主に白血病細胞を用いた薬効評価を行うことができた。これらの多くの進捗があったため、当初の予想通りに進展しているとした。今後は腎腫瘍モデルの開発に注力し創薬開発を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画のように、腎腫瘍モデルの開発に注力し創薬開発を進めたい。ただ腎腫瘍の再現は簡単ではなく、場合によっては他の遺伝子変異をもつマウスと掛け合わせるなどしてがんを発症しやすくさせることで腫瘍を再現する動物モデルの開発に取り組む。研究目的2「ENLのYEATSドメインとMOZ/MORFヒストンアセチル化酵素の結合状態の構造を原子レベルで決定する」についても今後精力的に進めていく
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Causes of Carryover |
トランスジェニックマウスの作成を行なっているが、作成経費の精算が次年度以降になる見込みとなったため。次年度においてはトランスジェニックマウスを用いた解析を行うための経費(作成経費と解析にかかる消耗品等)が予定以上に必要となると予想される。従って次年度使用額と翌年度予定額を合わせてトランスジェニックマウスの解析を進める。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] DDX41 coordinates RNA splicing and transcriptional elongation to prevent DNA replication stress in hematopoietic cells2022
Author(s)
Shinriki S, Hirayama M, Nagamachi A, Yokoyama A, Kawamura T, Kanai A, Kawai H, Iwakiri J, Liu R, Maeshiro M, Tungalag S, Tasaki M, Ueda M, Tomizawa K, Kataoka N, Ideue T, Suzuki Y, Asai K, Tani T, Inaba T, and Matsui H
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Journal Title
Leukemia
Volume: 36
Pages: 2605-2620
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Aberrant EVI1 splicing contributes to EVI1-rearranged leukemia2022
Author(s)
Tanaka A, Nakano T, Nomura M, Yamazaki H, Bewersdorf J, Mulet-Lazaro R, Hogg S, Liu B, Penson A, Yokoyama A, Zang W, Havermans M, Koizumi M, Hayashi Y, Cho H, Kanai A, Lee S, Xiao M, Koike Y, Zhang Y, Fukumoto M, Aoyama Y, Konuma T, Kunimoto H, Inaba T, Nakajima H, Honda H, Kawamoto H, Dell R, Abdel-Wahab O, Inoue D
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Journal Title
Blood
Volume: 140(8)
Pages: 875-888
DOI
Peer Reviewed
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