2023 Fiscal Year Research-status Report
International collaboration research on the identification of novel driver genes for prostate cancer by single cell analysis.
Project/Area Number |
22KK0135
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
菊川 忠彦 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (70444734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 隆太 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (00813635)
雑賀 隆史 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10314676)
三浦 徳宣 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80554427)
飯尾 浩之 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80972231) [Withdrawn]
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
角田 俊雄 愛媛大学, 医学部, 助教 (70988435) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / シングルセル解析 / 神経内分泌癌 / 導管癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究は、前立腺癌領域におけるシングルセル解析を確立・応用し、前立腺癌の真のドライバー遺伝子を探索することが目的である。前立腺癌の中で、神経内分泌前立腺癌(NEPC)は1%未満であるが非常に予後不良である。令和4年度は、空間的遺伝子発現解析技術を用いて、de novo NEPCとARPCの遺伝子発現の違いを検討した。de novo 転移性 NEPC と ARPC を併発している非筋層浸潤性膀胱尿路上皮癌の検体を用いて、Visium CytAssist Spatial Gene Expression analysis (10x genetics)を実施した。結果は、前立腺組織のNEPC部位では神経内分泌シグネチャーが、ARPC部位ではアンドロゲン受容体シグネチャーがアップレギュレーションされ、NEPC部位ではTP53、RB1、PTENのダウンレギュレーション、相同組換え修復(HRR)遺伝子のアップレギュレーションは観察されないことを見出した。また、Intraductal carcinoma of the prostate (IDCP)は、基底細胞が保たれた正常腺房・導管内に、腺管外の異型細胞が侵入・増殖し 篩状増殖および充実性増殖を示す病理パターンとされ、予後不良と関連する病理所見として注目されている。令和5年度は、IDCP特異的な遺伝子異常を解析するために、空間的遺伝子発現解析の手法を応用した。その結果、IDCP部位はHIF1A, BNIP3L, PDK1, POGLUT1といったHypoxia markerの上昇や、免疫細胞関連マーカーや線維芽細胞マーカーの低下が見られた。さらに、神経分化と関連のあるNPYやMYO16が高発現しており、神経内分泌分化との関連が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、空間的遺伝子発現解析技術を用いて、de novo NEPCとARPCの遺伝子発現の違いを可視化する解析が出来ている。さらに、NEPC周辺の腫瘍微小環境において、Rbfox3、SFRTM2のダウンレギュレーションと線維化を示すマーカー(HGF、HMOX1、ELN、GREM1)のアップレギュレーションも確認出来ている。さらに、IDCPにおいて、IDCP部位はHIF1A, BNIP3L, PDK1, POGLUT1といったHypoxia markerの上昇や、免疫細胞関連マーカーや線維芽細胞マーカーの低下を確認している。さらに、神経分化と関連のあるNPYやMYO16が高発現していることを見出し、神経内分泌分化との関連も視野に入れている。令和5年度は、研究代表者である菊川忠彦が米国シアトルのFred Hutchinson Cancer Centerに直接赴きPeter Nelson博士と上記研究内容につき討論し、実際に研究活動を行い今後の方針について確認した。また、同研究室に赴任していた渡辺隆太と米国にて研究内容や新規技術の獲得状況について確認した。現在、これらの得られたデータを用いて解析を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、渡辺医師がFred Hutchinson Cancer Centerで習得したシングルセル解析や空間的遺伝子発現解析の技術を応用し、シングルセル解析と空間的遺伝子発現解析データの融合や、高解像度空間的遺伝子発現解析の導入により、1細胞レベルでの解析を行っていく予定である。Fred Hutchinson Cancer CenterとMTA契約を締結し、米国人IDCP症例サンプルを入手する予定であり、日米間の遺伝子異常の相違も解析する。
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Causes of Carryover |
当該年度は、研究の物品費が計上していた額より少なかった。次年度は、更に物品費や旅費が多く見込まれる予定であり次年度使用額が生じた。
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Research Products
(4 results)